鳴門 | ナノ
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47.


息をするだけで全身に激痛が走る。繋ぎの力を二つ、三つ併用したくらいでここまで負担が掛かるなんて、覚悟はしていたけれどどこかで甘く見ていたのかもしれない。ああ、倒れる───徐々に迫ってくる地面にどうにもならなくてゆっくりを目を閉じた時だった。

ふわり。

「ボロボロだな。なまえ」
「……あなたも来ていたんですね」
「良い。意識を保っているだけでも辛いんだろ? そのままでいろ」

慌てて力を入れようとしたのに、一度気を抜いてしまった体はしばらく言うことを聞いてくれそうにない。そのまま甘えて身を任せれば正面から受け止めてくれた手が背中に回って寄り掛からせてくれた。お陰で少しだけ呼吸が楽になったような気がする。

「その様子だとずいぶんと無茶をしたようだな」
「……、」
「お互いを繋げばお前は相手の命を一時的に預かることが出来る。その間、空になった体は例え心臓を貫かれたとしても死ぬことはない。だが、その分お前への負担は計り知れない。前にそう言ったはずだが?」
「すみません。でも、私は」
「……いや、すまない。責めるつもりはなかったんだ。ただ、寿命を縮め兼ねない行動はあまり感心しない」

つい、この人が責めるような口調になってしまったのは心配してくれているから。初めて会った時もそうだった。協力して欲しいとは言いつつも強要はしてこなかった。このまま木ノ葉に残ることを望むならそれで構わないと。

「あなたの気持ちは嬉しいです。ありがとうございます。でも、他に方法がないのなら私はこの力に賭けるしかない。それで上手くいくのなら賭けたいんです」

里を抜けて暁に入ることも、彼等の目的に協力することも全て自分で決めた。未来にあるだろう幸せを選んだのは私の、私達の意思だから。

「全く……あいつもなかなかに頑固だったが、お前も大概だな」
「すみません」
「謝る必要はない。お前が暁にいる限り俺もお前の行動を極端に制限するつもりはない。しばらくはお前のやりたいようにやれば良い。お前がそれを望むなら尚更だ」
「ありがとうございます」
「礼を言う必要もない。さて、俺はトビとしてサソリの穴埋めに入る。お前は角都と飛段に合流しろ」
「はい」
「フッ、良い子だ。では、そろそろ行こうか? なまえ」
「はい! マダラさん」

背中を支えていた手に力が込もりマダラさんにグッと抱き込まれるような態勢になった瞬間、私達は歪んだ空間に吸い込まれた。

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