supplement:





夕焼け色に染まる長い廊下を歩きながら、ふと先程の出来事を思い出して口元が緩みそうになる。

なぁ、玄野。

あんたの言ってたことは、半分当たりで半分外れだ。

俺は人間に興味がないんじゃない。

―――この世界のすべてに、ただ意味を見い出せないだけなのだ。

歪んだ死生観の果て。
もしもあんたとの出会いが運命であるならば。

それはきっと、“自分”という存在が確立される合図だろう。

……だから、今は。

「魚心あれば水心、か」

どうか、溺れる魚になってくれ。










|

しおりを挟む
- 4 -







- ナノ -