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トップが退いたということで、西高の人たちもいなくなった繁華街は、お昼の顔を取り戻しつつあった。
平穏な風景に変わったそこは、先ほどまで喧騒のまっただ中にあったとは思えないほどだ。

そして、広場には、怒篭魂の人たちがたくさん集まっていた。

あれ……でも。
総長やピアスくんたちはいるけど、来栖嬢や美原先輩の姿はない。
来栖嬢は女の子だから危険に晒せないって理由でも、美原先輩はどうしてだろう?

「宇崎……。遅かったな」

相変わらずただならぬオーラを纏った総長さんが、宇崎を認識して声をかけてくる。
幹部以外の人はみんな、恐れ入ったように宇崎に道をあけていた。

さすがは腐っても幹部の一人と言うべきか。

「な、なんでそいつ連れてきてんだよ!!」
「今更、何の用だ貴様。女連れとは、随分と大層なご身分だな?」

ピアスくんとメガネくんが、私の存在に気づき不快感をあらわにしてくる。

他の人たちも声には出さないけど、私がここにいることを快く思ってはいないようだ。
当然のことながら、歓迎されてないなぁ。
居心地が悪い。

「西高の頭、叩けなかったみたいじゃねーの。総長さんよ」
「……」

ピアスくんたちにまったくの反応を示さない宇崎の言葉に、総長は無言で視線を返す。

「何が言いたいんですか」

保健室の時以来、ずっと口を閉ざしっぱなしだった茶髪くんが代わりに答えた。
けれど、宇崎の目線は総長に固定されたまま動かない。

「そもそも!総長から招集がかかったにも拘わらず、貴様は今までどこで道草を食っていたんだ!宇崎っ」

この糾弾は、メガネくんによるものだ。



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