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豆まき






節分だからお庭に豆をまいていた。

ら、何か来た。

ん?来たというか元々居たのかもしれない。いや、いた。俺が豆をぶつけていたのは鬼じゃなく乃木だったのか。名前が鬼とかすりもしないなんてナンセンスだ。


「何してるの乃木」

「おれ大豆好きだからまかないで」


まくくらいなら頂戴。

節分らしからぬ発言に俺の眉間のシワが深まる。
散々好きな大豆ぶち当てられといて、今更好きだからまかないでとは何事だ。


「おにはーそと」

「させぬ!」

「ふくはーうち」

「とうっ!」


お口でキャッチしたがる
うざい乃木に合わせて豆を一粒ずつ投げてあげる俺。ざ、優しさ。



(飽きたから恵方巻き食うわ)
(今年の方角は、俺向いて食べるといいよ木崎)
(う、うん。向かないけど)