七夕
なんか、短冊がうまく切れなくてお願いごとをしなかった。
となりの席の乃木がそんなこと言ってたから、仕方なく短冊をきってあげた。
たぶん面倒くさくて切らなかっただけだろうな。
「つうか乃木、笹どこにあんの」
「そこらへん生えてんだろ」
「そこらへん松の木しかないけど」
「うそあれ松の木なの」
「それ以外なんだと思ってたの」
「笹」
こいつ誕生日に植物図鑑あげようかな。
俺も切れ端に、乃木のあほさが治りますようにとお願いを書く。
「なに書いたの」
「乃木は?」
「今晩のおかずハンバーグが良いです」
「それオカンのLINEに書いてあげて」
(どうでもいいけど木崎は?)
(お前のあほが治るようにって書いた)
(へへっ)
(待って、いま何に照れた)
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