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サッカー部とバスケ部






最近、すごい人を見つけた。


「おーい、あきとー」


いくぞ。と呼んできた友達と教室移動をする際、隣のクラスの前を通る。

そのクラスは4組ある学年のなかで一番華やかだ。

かっこいい男子が全員あのクラスに集まった。
とか、うちのクラスの女子が嘆いていたがそれは違う。かっこいいやつが1人でもいたら、その周りのやつもイケて見えるんじゃないかと俺は思うのだ。
だからその中心部がだれなのか、探していたら見つけてしまった。


「はるちゃん」


はるちゃん、そう呼ばれた男が笑うと場が一気に華やぐ。
しゃべらないわけではないが自分が自分がと調子の良いタイプではなく、イケメンにしては女癖も酷くない。だからあまり友達間での話題には出てこなかったが、空気からして中心部という感じ。

男のおれでもあの人はかっこいい、と思ってしまう。
万人に好かれるタイプだろうな。



「何見てんの、隣のクラス?」

「ああ、高瀬っているじゃん」

「はるちゃんね」

「イケメンだなとおもって」


だな〜!と意外にも乗ってきた友人に驚く。

自分でいうのもなんだが、ホモかよみたいな感じでからかわれるかと思っていたのだが。


「はるちゃんとおれ、部活が一緒だぜ」


そうなんだ、てことはサッカー部か。

ふーん、と返しながら移動教室の場所を確認すると興味なさそうな返事にむかついたのか、教科書で脇腹を刺された。うっ、角。


「痛い痛い!なに!」

「はるちゃんの話聞きたいんじゃないのかよ!」

「いや、かっこいいなってだけだから」


なんか、そこに居るだけみたいなあの雰囲気が、居ないようで存在感がある華やかさが、すごいなって思うだけ。
芸能人とまではいかないけどおれには別世界過ぎて逆に素性を知りたくないな。


「なにおまえホモなの?」


今更になって想像してた返しをもらってもイラっとしただけで、返す言葉もなく先に走って移動先の教室へ行ってやった。
置いてくなよ!!!と叫びながらおれの後ろを走る友人に笑いながら教室の扉を閉めた。ざまあみろ!