こんにちは西京


学校帰りに受け取りに行った紙袋には薄い本が数冊詰まっている。同CPの子から借りてきた新刊は、加工もあってかぴかぴかと輝いて見えた。
自宅までは電車で三駅、そこから走れば五分でつく。はやる気持ちを抑えてメタ子は学校最寄り駅の改札を通った。
電光案内板には次々と駅名が表示されては消え、メタ子が乗り込んだ電車の案内もさっと通り過ぎては消えてゆく。
毎日乗っている電車を間違えるはずも無く、彼女は確認もせずに乗り込んだ電車で座席を確保して一息ついた。紙袋を抱え込んで、ゆっくり妄想の世界へと沈んでいく。
最近の彼女のお気に入りは"駅員"だった。

――次は 西京行きです。

聞き慣れた声に気づかないまま、メタ子を乗せた電車は東京から離れて行く。


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