しめじ


気が付くと箪笥の上に、小さな知り合いがいました。
顔の大半を占めるのは一つ目で、大抵つまらなさそうに煙草をふかしています。ちょろちょろと動き回っては私の眼鏡を隠したり、着替えに埋もれて寝ていました。
小さいと不便だろうからと、ご飯をあげたり世話を焼いているうちに新しい煙草を要求されたので買ってきたんです。
が、身長ほどあるそれを見つめながら悲しそうにしていました。危ないので取り上げてそのままです。


昨日は疲れたのでご飯も与えずにさっさと寝たのですが、朝、脱ぎ捨てた制服に埋もれて死にかけただの腹減っただのと煩かったので眼鏡ケースへ押し込んで箪笥にしまいました。
しばらくすると大人しくなるので出勤までのつもりがそのまま出てしまい、慌てて戻る頃には半泣きでした。
……ごめんなさい。


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bkm
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