中身について


綺麗なまま生きたいと言うのは余裕ある人間の戯言に過ぎない。
ただひたすら妹のため手を染め続ける少年へ突き付けられたそれに、まあそうだねと適当な相槌を打った。

継ぎのある顔は同じ名を冠する家族である。
生きるだけなら。彼は続ける。形など些事だと。
はじめの頃度々激昂していた少年は、諦めた様にそれでも方法を探しているんだとだけ返した。
この馴れ合いはそろそろ無駄だ。自分の腹の中身を知って、彼女はそれでも生きたいと願うのだろうか。


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bkm
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