飽き反芻

飽き反芻_オポチュニスト | ナノ
オポチュニスト



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入学して一週間たったある日
基本的に一人の時間を好むアブラクサスは僕とアルフォードとは別行動をすることが多く
この日もアルフォードの従姉と会う僕たちとは別で
アブラクサスは図書室に言ってくると言い残し行ってしまった

本当は僕も、アルフォードの従姉に会うより図書室でゆっくり本を読んでいたかったが
アルフォードはブラック家
魔法界では財も権力もある
その従姉なのだから会っておいてそんはない

その点、孤児院出身の僕とは違いアブラクサスの家もブラック家に引けをとらないくらい財と権力を持つ家だ
おそらくアルフォードの従姉と少しくらいの面識はありそうなものだし
わざわざ会いに行くほどのものでもないだろう



「ルクレティア!相変わらず可愛いなぁ」


「止めて!!くっつかないで頂戴」



アルフォードの従姉はルクレティアというらしい
ルクレティアは抱きつくアルフォードを引き剥がし
冷たい声でののしっている



「ん?」



ルクレティアはやっと僕に気づいたようで
僕は何時もの通り笑顔を作った



「よろしく、僕はトム・リドル、トムって呼んで」


「よろしく、私はルクレティア・ブラック、リドルって呼ばせてもらうわ」



ルクレティアは少し嫌そうな顔をして答え
僕が握手のために伸ばした手もとらず、アルフォードの方を向いてしまった

正直、少し驚いた

このホグワーツに来てから、僕は猫をかぶり、優等生を演じている
自分で言うのも変だけれど、顔も良い方だ
だから、赤目を嫌わず、魔法があって当然なここで
僕は好かれる事はあっても、嫌われはした事が無かった



その後もルクレティアは僕とはあまり喋らず
アルフォードと家の事を話したり、学校はどうだっとか
他愛も無い話をして時折アルフォードがくっ付いてじゃれて
ルクレティアが怒るくらいだった



「あぁ、もうこんな時間!」



ルクレティアは、窓から見える暗い空を見て椅子から勢いよく立ち上がり



「私、帰るわ」



っとだけ言うと
アルフォードが叫んでいるのも気にせず
走っていった




「あぁ、ルクレティアァァァァ!」


「僕らも帰るよ」



僕は叫ぶアルフォードの襟首を後ろからつかみ引きずりながら寮へともどった



「うるさい・・・」

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