意外にも料理上手な兄さんがエプロン姿でキッチンに立っていた。
不覚にも新婚みたい、なんて思ってしまった僕は重症だ。
そんな僕を誘惑するように、ゆらゆら揺れ動く兄さんの尻尾がイケナイ妄想をさせる。


「兄さん、」
「ん?」


こちらを振り向こうとする兄さんを後ろから抱きしめると、兄さんの身体が強張った。


「雪男…?」
「料理、作らないの?」


意地悪く兄さんの耳元で囁きかけるように言うと、微かに反応する兄さんの身体に僕の口許が緩んだ。
邪魔しているというのは分かってる、でも、どうしても兄さんに触れたくて。我慢できなくて今の状態になったわけで。


「兄さん、」
「んっ」


悪魔でも人間同様に耳は弱くて、兄さんの耳を甘噛みしてみると妖艶な声が漏れる。それが僕を興奮させて続け様に耳を執拗に攻める。


「雪、男…やめっ」
「感じてるのに?」
「か、感じてなんかねぇ!」


耳を真っ赤にさせて強がる兄さんはやっぱり可愛い。てか、どんな兄さんでも可愛い。
だから、やめれるわけもなく首筋へと唇を移動させる。だけど、兄さんもやられっぱなしじゃなく、僕を振り切った。


「だぁぁぁ!!俺で遊ぶな!もう雪男はメシ抜きだからな!」


頬を真っ赤に染めてそっぽ向いてしまった兄さんだけど、その横顔も可愛くて素直にいじめすぎた事を謝る。


「兄さん、ごめん…」
「分かればいいんだよ。ほら、メシ出来たぜ!」


笑顔を見せる兄さんに僕も微笑み返すと、兄さんは俯いて小さな声で呟いた。


「さっきの続きは後でな…」
「え?」
「な!なんでもない!ないない!ははは、」


(ああ、駄目だ、好きだ)
やっぱり僕は兄さんには敵わないや。


Fin..

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