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テーブルにつき、御山社長を見ると、間近で見れば尚更綺麗な顔立ちをしていることがわかった。
ホストよりもお客様の方がイケメンってどうよ?
ゲンナリしながらも、笑顔を作って御山社長に向き直った。

「はじめまして。ご指名有難うございます、ショウです。」

「うん、よろしくね」

笑顔を浮かべる御山社長が綺麗すぎて思わず真っ赤になってしまい、慌ててソファーに座った。

それに対して、かわいいと言いクスクス笑うものだから、余計に顔が赤くなってしまった。

これ完全に遊ばれてるぞ…

「あのっ、今日はなんで俺を指名してくれたんですか?」

さっきから気になっていた事を聞けば、見惚れるくらいの笑みを向けてきた。

「ん?…一目惚れしたからかな?」

「…えっ!?」

また真っ赤になってしまい、隠すように両手で顔を押さえれば、それさえも可愛いと言われてしまう。
いや俺可愛くないんだけど。
一応小さくお礼を言えば、蕩けるような笑みを返してきた。

「ショウくんはいくつかな?」

「えっと、24才です。」

へぇ、若いねと驚いたように言う御山社長こそいったい何歳なんだろうか…
でも初日でそんなプライベートな事聞けねぇし今度また指名してくれた時にでも聞いてみよ。

「ショウくんはいつからホストの仕事をやってるの?」

「えっと…21歳くらいです。俺、就職失敗しちゃって…どうしようって思ってた時に、叔父さん…オーナーがここで働かないかって誘ってくれて…」

オーナーがいなかったらどうなってたか…。
俺みたいな平凡をホストとして雇ってくれるなんて優しすぎる。
可愛い女の子だって見放題だし!

「ふーん、なんだか妬けちゃうなぁ…」

口を尖らせて拗ねたように呟く御山さんに首を傾げる。
何を焼くんだ?
てゆーかイケメンは口を尖らせてもイケメンだな。
俺がそんなことしたら間違いなく殴られるわちくしょう。

「僕だってショウくんの為ならなんだってしちゃうのになぁ…」

首を傾げた俺に微笑むと、手を伸ばして俺の頬に触れてきた。

「えと……?」

なんでそんな優しい目をして見てくるんだろ?
俺の為なら何でもするとか言うし…。
なんで?なんで会ったばっかりの俺にそんな事いうんだ?

「分からないって顔してるね?」

「す、すいません…」

謝ると、俺の頬を撫でていた手を滑らせ、今度は頭を撫でてきた。
うわ、完全に子ども扱いだ。
なんか恥ずかしい…

「じゃあ、僕は君の為なら何だってするって事だけは理解して?君が望むんだったらドンペリだっていくらでも頼むよ?」

「そんな…っ!」

ドンペリってめっちゃ高いんだぞ!?
そんなのをいくらでも頼むって…

「そのくらい…君の為なら何だってしたいって思うくらい君が好きなんだよ?」

頭を撫でていた手を後頭部にずらし、そのまま御山社長に引き寄せられる。

うわ、近っ!

鼻先が触れそうなくらい引き寄せられ、目の前にある綺麗な顔から思わず目を反らしてしまう。

「ほんとにかわいいなぁ…ねぇ、君の為なら本当になんでもするからさ、僕の秘書になってよ?」

「ひ、秘書…!?」

俺が!?
む、無理無理無理!!

ブンブンと首を横に振ると、とたんに眉を下げ悲しそうな顔をされる。
う、わんこみたいだ…。

「だめ?どうしてもだめかな?給料だって高くするし…ね、お願い…」

ど、どうしよ…っ!
俺は今の仕事を気に入ってるし、
ってゆーかなんでそんな必死なの!?断り辛いんだけどっ!

「えっと…だめってゆーか…その…」

俺の煮え切らない態度にモヤモヤしたのか、俺の耳元に唇をくっつけてきた。
な、なに!?くすぐったい!

「ね、お願い。いい子だからやるって言って…?」

その状態で甘い声で囁かれるから、体がビクついてしまう。
しかも気がつけば太ももをやらしく触られてるし。
撫で方がなんかやだ!


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