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 甘く絡み合うキスは次第に激しくなり、がぶがぶと唇を塞ぐように深くキスを繰り返され、ティエルは熱い息遣いだけが聞こえるように感じた。頭の中がドロドロに甘く溶けているような感覚に身体の力も溶けそうだ。

「う…ぁ?…ん、ガド…も、や…め…」
「うん。もう少し…ちょっとだけ」

 ガドはソファに深く座って、大きく膝を開いた。ガドの膝に足を掛けて向き合っていたティエルの足が自然と大きく開く。下半身は裸で、身体中舐め回された上半身はシャツ一枚、ティエルの背中を隠しているだけだ。
 大きく開かれた足を閉じることもできず、ティエルは残りの力でガドの首にしがみ付くことしか出来ていない。
 白く滑らかな肌をガドの手が這い回り、ケリーから貰った花の香油がティエルのアナルからいやらしい音を耐えず溢れさせた。
 どのくらいまで慣らすのか、分からないガドは慎重にそこに指を埋めて、広げ、抜き差しを繰り返した。三本目の指をぎゅうぎゅうと締め付ける内部に、ガドのペニスもそれを想像して固く主張している。

「痛くない?」
「わ、わかんな…じんじん、して…」

 気持ちいぃ…と消えそうな甘い声がガドの耳をくすぐった。ぐちゅっと指を中で回すと、ティエルは腰を跳ねさせた。甘く勃つティエルのペニスはトロトロに濡れて、動くたびに揺れた。

「やだ、や…もぅ、頭が…ふわって…なってる…がど、ガド…ッ」

 ティエルは求めるようにガドの首に益々しがみ付き、その勢いでアナルから指が抜けた。

「ひっ、あ…っ!!!!」

 ビクッと身体が強張ったかと思うと、ガドにもたれるように力を失った。うわ言のようにガドの名前を呼ぶティエルは、腰を震わせて時折いやらしく揺らした。
 甘えるような仕草でずっと名前を呼ばれていたガドも我慢の限界がもうそこまで来ていた。なんとか抑え込んでも、衣類越しにも誤魔化し切れない熱がティエルの尻に触れている。

「ッ…ティエル、ごめんね、やめられないかも…」

 ぼぅっとトロけた声音でしがみついてくる熱く細い背中を抱き締め、ガドが下着と共にパンツを脱ぎ捨てると、大きな熱が現れティエルの肌に直接触れた。続いて揺れるふわふわの尾がティエルの内股を撫でた。
 少しのくすぐったさと長大な固い熱をはっきりと感じたティエルは腰を上げてソファに膝を立てた。

「ガド、くれる…?」

 頬を染め、見下ろすように潤む瞳がガドを見つめた。ガドの我慢をぶち壊すには十分すぎる威力を持ったその誘いに、強い指先を細い腰に食い込ませた。

「たくさん、あげる」

 ガドは瞳孔が開くような目眩を噛み殺し、ひくひくとペニスを誘うティエルの入り口をこじ開けるように腰を押し込んだ。

「あぁあああっ…!!が、ど…ッ、…ッがどぉ…」

 ぐちゅっと香油の滑りを借りて大きな熱がティエルの腹を蹂躙するように突き込まれた。ガドは強い視線でティエルを見つめたまま、掴んだ腰を自分に押し付けてペニスを打ち込み始めた。
 ばちゅ、ばちゅッと肌を打つ音と香油の滑りが一層激しい音を立て始めた。奥まで挿入して、ぐっと抉るように腰を回すと、ティエルの背中が大きくのけ反った。

「っあぅ!うっあッ!ガドッ、ガド、だめっなんか、だめぇ…!んぁっ、ガド…!」
「ティエル!すごいッ良い匂い…!」

 ティエルは鳴きながら身を捩ったが、ガドの腕の中では些細な抵抗に終わり、擦られ、突かれ、ただただ熱くて押し寄せる快感に丸呑みされた。

「ーーーーーッ!?」

 ティエルの意思とは関係なく、アナルがぎゅっと締まってガドのペニスを放すまいと貪欲に喰らい付いた。ティエルのペニスから精液が飛ぶ。
 その締め付けにガドは喉を息を詰めたが、腰を打ち込み続ける。射精が始まっても、ガドは動き続けた。

「う、あっ…ガドッ!腹、…熱い…ッガド、好き…なに、これ…?気持ち、ぃ…ガドぉ…」
「はぁ、っティエル…好き、ティエル、好きだよ、っごめん…!」

 止められない衝動を謝りながら固さを失う事なく勃ち続けるペニスはもっと、もっととティエルを鳴かした。結合部は香油よりも精液で溢れ始め、ボタボタと床を濡らしていく。
 ガドは座位からティエルの腰を抱いたままソファへ押し倒した。ぐぐっと腰を押し付けると、ティエルの腰が浮く。足を開かされ、あられもない格好でガドのペニスを受け入れたティエルは抵抗出来ずに悲鳴を上げた。白く細い足が空を蹴る。
 角度が変わり、内部を満たすモノの存在もより一層感じた。

「んんっ、あぁああッ…!がど、だめ!だめッ!なんか、くる…!」
「だめ?ッでも、はなしてくれない、ティエルのナカ、熱くて、ドロドロで、気持ち良すぎて、やばいッ」

 たんっ!たんっ!と大きな抜き差しを繰り返されたティエルは目の前がチカチカと白んだ。ガドの背中に爪を立て、ぎゅっと目を閉じた。訳の分からない快感が這い上がり、無意識に涙が溢れる。ティエルは何度も達していたが、ペニスからはもう精液は出ていなかった。

「ティエルッ…はぁ、なんでこんなに、好きなの…?離れたく無い。全然ッ…足りない」

 ガドは低く唸りながら、乱暴にしないように歯を食いしばってティエルの身体を抱き寄せた。
 ティエルはアナルに深くまで埋まっているペニスの角度が変わって、腰が跳ねた。

「っんん!!…ぅ、あ…ガド…離れないから…、ずっと…」

 ティエルは甘い呼吸を乱しながら、自分に抱き付く青年の髪を撫でた。何度も。青い瞳が細まり、ガドを見つめた。

「はは…嬉しい…」

 ガドはティエルの口から『ずっと』と聞けたことに胸が高鳴った。たとえ朦朧とした意識下だとしても、ガドにはこれ以上ない言葉だった。







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