「アンタ優しいもんな。惚れ直した。ギロア」
「『アンタ』って呼んでくるお前にギロアって言われても違和感しかないけどな」

 慣れてけば?と笑みを深めたソイルは誘う様にギロアの唇を舐める。

「飽きる程呼んでやるって」
「明日には忘れてんじゃねぇのか?」

 珍しくギロアの口から冗談混じりの笑いが漏れた。ソイルを抱いたままひとり掛けのソファに腰を下ろす。ギロアはソイルの少し驚いた様な表情をちらりと見てから襟足を掴んで引き寄せ、唇を奪った。触れるだけではなく、深く求める様な、けれど蹂躙する様な激しい口付けだった。

「ん、んぅ…ふ、ぅ…んン」

 ぬるっと舌が絡み、ソイルはもっとと口を開いて舌を差し出す。膝の上に跨り、キスに感じ入り腰が揺らめく。ソイルのペニスがパンツ越しでも分かるほど熱を持って主張し始める。
 それを察したギロアはソイルのパンツのボタンを外すと、前を寛げてやった。下着を下げ、熱を帯びて立ち上がったペニスに触れてやるとソイルの鼻から甘い声が抜けた。

「ん、ぁん…もっと触って、ギロアぁ…」
「我慢が出来ねぇヤツだな」

 ソイルは自分の唇を舐めるとシャツを脱ぎ捨て、じっとギロアの瞳を見つめた。優しく細められたその目に胸がキュッと甘く痛み、自分より太い首に抱きつく。この瞳は凄い。自分を救い出してくれた、唯一。

「アンタが相手だから。我慢なんてできない…すぐにでもぶち込んで欲しい…アンタのモノだって、実感できるんだもん…」

 首に抱きついたまま、ソイルは顔を首元に擦り付けて彼の匂いと体温を感じた。好きだと溢れ出すのが止められず、首筋を舐めて耳元で『好き』と繰り返す。
 ギロアは先走りの溢れるソイルのペニスをゆっくりと上下に擦りながら片手は自分より細く頼りない腰を掴み指に力を込めた。

「ぬ、脱がせて…」

 ソイルは腰を揺らめかせて甘える様に囁いた。ギロアの手が肌を滑り、下着と共にパンツを下げていくのに合わせてソイルは足を抜いた。ソイルが開放感にホッと息を吐いた時、ギロアの手が乳首の先を押しつぶした。ペニスへの直接的な刺激と同時に訪れた胸先への甘い疼きに、ビクッと身体を震わせて先走りを溢れさせた。 
 ギロアはぬるぬると落ち着きのない先走りを絡めた指をすべすべの尻の間へ滑らせた。入り口は柔らかく、触れただけで誘う様にきゅっと締まった。

「んっ、はぁ…もぉ、入るから…」
「こんだけしょっちゅうヤッてんのにひとりでシタのか?」
「こ、今週はまだ一回しかしてないじゃん!土曜だよ?!欲しくて仕方なかったんだよ…アンタが」

 コレ!とソイルは熱を主張し始めたギロアの下半身に触れ、パンツの前を寛げて下着越しに撫でた。触れた事で、それに与えられる快感を思い出したソイルはビクッと腰を揺らした。

「アッ、やば、ぃ…」

 達しそうになり、ソイルは慌てて自分自身を握って耐えた。ふぅ、ふぅと甘い息を繰り返し、辛そうに眉を寄せて涙を滲ませる。

「早くぅ、も…欲しぃ…」
「可愛い奴だな」

 ギロアはシャツを脱ぎ捨て、触れていた指をソイルのアナルへゆっくりと埋めた。一本だけ、根元まで。ソイルは相変わらず小刻みに呼吸しながら、快感を拾っては小さく首を横に振った。

「や、指ぃ…ちが、ぅ…よぉ…」

 中は程よく解れており、二本にした指を抜き差しされ、ソイルは腰を震わせた。出て行きそうになる指を離したくないと言う様にアナルが締まる。それに反して指が出ていくと、耐え切れずにソイルは達した。

「ひ、ン!!」

 出してしまった事にソイルが一緒に達する事が出来なかった恨みを込めて睨み付けたと同時に、下着から滾る熱を現したギロアがそれをソイルに押し込んだ。圧倒的な存在感と熱。

「ッ……アァッ!ん、んぅ…イくぅ!!」

 睨む事は叶わず、良過ぎる快感にソイルは視界がチカチカと点滅している様に感じたが、それ以上に下半身が激しく震えた。大きく一度鳴くと、声が出せない程の快感の波に飲まれてソイルはビクビクと硬直した。喉を反らし、足先まで力が籠る。生理的な涙がゆっくりと頬を伝った。力の抜けそうな腕ではしがみ付けず、バランスを崩しそうになるがギロアの大きな腕が包む様にそれを支える。
 ソイルの震えて閉じる事が出来ない口端から唾液が伝ったが、ギロアはそれを舐め取ると耳元に優しく、甘い声で『ソイル』と名前を呼んだ。

「締め過ぎだ」
「ギ、ロ…ぁ」
「動いて平気か?」

 少しずつ自分の感覚に戻ってきたソイルは震える唇で何度も名前を呼び、頷いた。







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