肌を打つ音と甘い声が部屋を満たす。ソファに深く腰掛けたギロアの膝でソイルは何度目かの絶頂を味わい、小刻みに震える腰は支えられていないと崩れ落ちそうであった。それでもギロアは軽く腰を揺すり、快感に飲まれて憎まれ口も叩けない愛しい相手の唇を舐めた。

「ン、ギ…ロァ…好き、イくぅ…ッも、やだ、ナカ、変なる…ぅ!」
「いつもみたいに中だけでイかせてぇな。もう少しか?」

 しっとりとお互いに体液に濡れた身体に触れれば収まらない熱を感じる。ソイルはコレ以上を知っている手前、少しの怖さと欲しさにごくりと喉を鳴らしてしまう。内股が震え、求められる嬉しさに涙や涎でトロけた顔が更に緩む。

「奥、ガンガン…て、して…中、出して欲し…」

 言いながら感じている様子で、アナルがうねりながらギロアの怒張を奥へと誘う。色めいた吐息がギロアの唇から漏れると、ソイルはそれにさえ感じて腰がビクビクっと痙攣した。
 ギロアも限界の近さを感じ、繋がったままソイルを持ち上げて一度ソファから立ち上がった。
 悲鳴を上げたソイルは量の少なくなった精液を先端から溢れさせるが、そっとソファへ背中を埋められ、ヒクヒクとペニスは立ち上がった。

「はぁっ、奥…するの…?」
「期待してんじゃねぇか」

 ギロアは言うが早いか腰をぐっと押し付け、ソイルの中へ限界まで侵入した。そのまま奥をぐ、ぐっと突く。小さい動きだが力強く、熱く大きな滾りがソイルの胎内をゆっくりと奥へ奥へと擦り上げて来る。的確にソイルの好きな場所を抉りながら、追い込む。

「ひっ、アぁっ!!!イ、く!いくぅ!!ナカ、だめ…きもち、いぃの…止まん、な…い!」

 苦しそうに浅い息を繰り返すが、これ以上ないというほどの快楽にソイルの表情はトロけきっていた。ペニスで達する事は無く、長く続く絶頂にソイルはフッと意識を飛ばした。
 内部の締め付けと痙攣に持って行かれそうになりながら、ギロアは目を閉じてしまったソイルの頬に自分の頬を寄せると2、3回腰を揺らし、ずるっとペニスを引き抜くとソイルの腹へ射精した。気持ち良さそうに目蓋を伏せ、出し切ってソイルを見れば意識の戻った青い目と視線が絡む。ギロアは無意識にそっと口付けた。ゆっくりと離れると、乱れた呼吸を落ち着けながら、ソイルは笑った。

「アンタの、気持ち良さそうな…顔、すげぇカッコイイ…」
「…やめろ、恥ずかしい事言うなよ」
「ははっ、ホントだもん」

 『ったく…』とギロアは自分の脱ぎ捨てたシャツを引き寄せ、ソイルの腹へ出した精液を拭い始めた。

「あー、中出ししてって言ったのに…」
「はいはい、すみませんね」

 ソイルは自分の身体の事を思っての事だと分かっている為、不満そうな顔はしておらず、むしろ満足そうに目を細めた。

「シャツを水につけて来る。タオル持って来るから少し待ってろ」

 下着を拾って身に付けたギロアの大きな掌がソイルの頭を撫でた。その手にソイルは目を閉じ、ソファに疲れ切った身体を預けたままバスルームへ向かう背中に声をかけた。

「ハガキの友達に会ってみたいな。ギロアは俺の友達、知ってるじゃん?」
「クラークとコリン?イイ奴らだな。悪い奴だが」
「世の中、悪い子がいて正義は成り立つの。悪い子がいなきゃ正義って圧力じゃん?」
「でた。悪い奴の発言」
「ひど!」

 濡れたタオルを手に戻ってきたギロアはソファの前に跪き疲れて動かないソイルの身体を拭き始める。

「…ハガキのダチは、お前らみたいに根はイイ奴だが、世間的には悪い奴だ」
「…会わせたくない?」
「いや、会わせてやりたい。けどな、ソイル。お前の余罪は消えた訳じゃねぇし、そいつは監視付きだし、会えるか分からねぇ、って所だ。それでも良ければ行ってもいい」

 ソイルは間髪入れず頷いた。

「すっげぇ楽しみ!」

 子供のような笑顔に、ギロアも思わず笑った。休みを調整しないと、とお互いに頷き合う。
 ソイルの足に下着を通していたギロアの腹が微かに鳴った。

「そいや…腹減った。マフィン食っていいか?」
「そうじゃん!マフィン!レモンがオススメだよ」
「了解」

 汚れたタオルを持って立ち上がり、バスルームから大きいバスタオルを持ってきたギロアはソイルに適当にそれを掛けた。

「ベッドには運ぶか?」
「…ここで食べてるアンタを見てたいな」
「意味分からん」

 『まあいいけど』と残してキッチンのテーブルに置かれた皿からマフィンを取り、大きな口で齧り付く様子を眺めながら、ソイルは幸せな気持ちで微睡み始めた。




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