過去の拍手のお礼用でした。



*1



「漣。今年の夏祭りはアルシエロと商店街の酒屋さんとビアガーデンをする企画してます」

 リビングのソファに座り、何やら契約関係の書類に目を通している新堂を見つけて、想は言いながら身をかがめて、そっと背後から首筋にキスをした。
 ソファの隣に座ると、新堂の書類を邪魔そうに手で避けながら、想は彼の膝に頭を乗せた。
 小さく笑う新堂の声を聞いて、想は甘えるように彼の腹に顔を埋めて腕を腰に回した。

「誘ってんのか?」
「違うよ。……漣の匂いが好き」

 新堂の腹に顔を埋めて目を閉じた想は、安心したように小さな吐息を溢してから、すりすりと顔をこすりつけた。
 甘えるような想に、新堂もその髪をゆっくりと指に絡めるように撫でながら、再び書類へ視線を落とした。

「今日は混んだか?」
「うん。でも常連さんばかりでした」

 午前1時を回り仕事を終えた想は少し眠たそうに答えながら、それでも離れようとはせずにぎゅっと腕に力を込めた。
髪を撫でる新堂の手が心地良く、想がうとうとし始めた時、ふと新堂はポツリと呟いた。

「ビアガーデンか……想が仕事なら、俺も所用を済ませるか」

 その呟きに、想はハッと意識を掴み直して顔を上げた。眉根を寄せ、不満そうに新堂を見上げる。

「え……っ!漣にも来て欲しいです」
「想が仕事しているところを見てろって?それなら人混みよりも、週末にアルシエロのカウンターで想を眺める方がいい」

 新堂は書類をローテーブルへ置くと、髪を撫でていた手を滑らせるように想の首筋を指先でなぞった。
 そのまま緩められているネクタイに指を掛け、シュルっと音を立ててシャツからネクタイを抜き取る。
 想がほんのり頬を染めると、新堂の指先が想の唇を撫でた。
 親指が下唇を何度か撫でると、想は誘われるようにその指へ舌先を伸ばした。
 新堂が指を退けない事に気を良くした想は、その指を誘う様に口内へ招き、ちゅくちゅくと舌を絡めて舐め、しゃぶった。
 うつ伏せていた想は仰向けになり、新堂の膝枕で彼の指を夢中で舐める。
 新堂のもう片方の手がワイシャツのボタンを二つほど外し、肌を撫でるように滑らせた。
 冷たい手に想は甘い吐息を吐き出す。
 新堂の指先が乳首を強く押す様に胸を弄り、こりこりと小さな突起を潰され、想は腰が揺らめく。

「んっ、ん……っ!」
「こっちに来い。帰宅のキスがまだだぞ」

 ゆっくりと歯列の裏をなぞりながら口から出て行く指を視線で追う想に新堂が笑った。
 新堂のからかうような声に、想は唾液に濡れた唇を舐めながら身体を起こし、新堂の膝を跨ぐとソファに膝を乗せて彼を少し見下ろし、首へ腕を回して唇を合わせた。

「ただいま……れん、今日も好き……」

 囁くような告白をしながら、目を瞑り、唇で啄ばむように彼の唇を遊ぶ想のベルトを、新堂がゆっくりと外す。
 仕事用の黒いスラックスの前が外され、新堂の手が腰を撫でるように衣服を下げる。タイトな青いボクサー越しに想の尻を撫で、その下着に指がかかると想は脱がせやすいように少し腰を上げた。
 肌を滑るように新堂の手がスラックスごと下着を脱がし、想が足を抜く。ポイと床に放られた。ベルトのバックルがゴンと床を叩いたが二人の耳には届かない。
 ちゅ、くちゅ……と舌を絡めたキスを繰り返しながら、新堂は手の中の想をゆっくりと擦る。
 既に完全に勃ち上がり、先端から滑りを帯び始め、想の耐えた声がキスの合間に漏れた。

「そのまま腰を揺すって俺の手でイけるか?」
「っ……そ、そんなの無理……」
「どうかな。想は俺に触られるとすぐ熱くなる。俺にされて、感じるんだろう?」

 キスまですぐの距離で低く、魅力的なウィスパーボイスが想の耳を舐める。
 想は控えめに小さく頷くしかなかった。
 くすっと笑う新堂を想は一瞬睨みつけ、奪うように彼の唇を塞ぐ。
 両手で新堂の顔を固定し、舌を差し出して互いに絡めあいながら、想は腰を揺らし始めた。柔らかなソファに沈む想の膝が微かに震え始める。

「んっ、ん……んぅっ、ん……ッ!」
「想……」

 ぬちぬちと厭らしい音を立てながら腰を振り、新堂の手にペニスを擦り付ける。夢中で彼の唇を舐める。
 新堂はそんな可愛い想の舌を遊びながら、緩急を付けて手の中のペニスを握り、片手の中指でヒクヒクと控えめに震える想の入り口を撫でた。
 少し戸惑いながらも誘うように揺れる腰と、想の艶かしい表情に新堂は身体の熱を抑えながら中指を想の体内へ埋め込む。
 異物感に想は眉を寄せ、唇を噛んだ。しかし直ぐにその異物感も慣れた快感へ変わっていく。
 想の身体を知り尽くす新堂の愛撫に想は甘い呼吸を繰り返して酔う様に瞼を閉じた。内部へ侵入した指が2本に増やされ、的確に性感帯を刺激する。

「んぁっ、あ……れん、も、っと……奥、もっ……あ"ぁっ……ッ」

 想の唇からうわ言のように零れる言葉に、新堂は短く返事を返すと熱い内部から指を抜き去った。
 その刺激にさえ想は腰を震わせ、たらりとペニスから先走りを垂らした。

「そのまま腰を落とせ」

 こくん……と頷き、自身の腰を支える新堂の手に手を重ねて腰を下ろす。そそり立つ新堂のペニスはいつの間にか寛げたズボンから正体を現し、想の深くへと突き進む。

「は、ん"……んんっあっ……ひ、っあぁ……は、入って……くる!」

 新堂の手が想の腰を逃がさぬように強く掴み、想は身動きが取れずに背をそらした。
ズブズブと自分の体内に限界まで埋まった新堂のペニスを締め付け、甘い呼吸を繰り返しながら、時折ビクッと跳ねる身体を制御しようと眉を寄せて耐える。
 一層先走りを滴らせるペニスがひくひくっと震えた。
 少し、新堂が想の様子を見守っていると、想の腰が控え目に揺れ始めた。

「……そんなんで足りるのか?」

 小さく首を横に振った想の瞼が開き、欲情の色に染まった黒い大きな瞳が新堂を見つめた。
 誘うように唇を舐める想の表情に、新堂はぞくりとしたモノを感じて口端を上げた。






 



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