中に注がれていたローションや精液を押し退けて大きなペニスが友隆の奥まで突き込まれた。グポッと空気の混ざる音が大きく鳴り、そのままガツガツと腰を振り出した晃志郎の動きに合わせてグチョグチョと汚い音が立つ。

「う、ぁ"……!!」

 馴染む間も無く激しい抜き差しが始まり、友隆は逃げ出そうと腰を捩った。
 晃志郎は逃げようと動く腰を両手で掴み、殴り付けるような勢いの音を立てながら滾るペニスを打ちつけ続けた。肌を打つ音と骨がぶつかる音が鈍く鳴り続く。
 前立腺を押し潰され、擦られ、友隆のペニスも濡れながら揺れていた。

「おら、もっと鳴け!そしたらもっとヨくなれるぞ!イイんだろ?ちんこガン勃ちじゃねぇか!」

 挿入したまま、腰を掴んでいた手が友隆の肌を撫でて滑り、膝裏へと当てられた。強引にぐっと持ち上げられ、限界まで押し開かせる。
 友隆は苦しい体勢に咳き込み、それが体内の晃志郎を締め付けた。

「ぐっ、あ……!苦し、……かはっ!」
「おーおー、締まってきたなぁ。ここの、奥知ってっかぁ?」

 ゴツっと最奥を大きな先で押し潰され、友隆は苦痛に顔を歪めた。
 
「ホントはよぉ、セックスドラッグとか使って可愛がりゃあ…あっという間に天国いけるぞ?もっともっと〜って強請るくらいイイんだと。どの野郎もすーぐ汚く喘いで股広げて来るようになるんだわ。そのくせ、あっという間にへばるからクソ楽しみがいもねぇし、つまんねぇの」

 ぐぐ、ぐぐっと限界を超える場所へ入り込もうとする塊に友隆は身体が震えた。
 頭では、どうでもいいから早く終わらせろ…と思っているのに、身体が恐怖に反応している。

「お前をそんな風にしてえなぁ……ニコリともしねぇ、強請りもしねぇ、イイ筈なのにアンアン鳴かねぇ……クソつまんねぇのに最高にそそるなぁ」

 ぐんっとペニスの質量が増したように感じて友隆は無意識にその熱を締め付けた。一度締まると、ぎゅーっと力が込もるのを止められず、喉を反らした。

「っあ、あ、あ!っ……くそっ、抜け……!抜けよ!!」
「お、お、いいね。こりゃあメスイキだな。そのままイけ!」

 まるで暴力のように押さえつけ、奥へゴツゴツ突き込む力が増した。
 友隆は呼吸を乱しながら縛られて頭上にまとめられた腕に力を込めて、その腕に噛み付いた。確実に声を上げてしまうと頭の隅で察していた。

「あぐっ……ん"ん"ん!!!!」

 思い切り噛み付いた腕の皮膚が裂け、血の味が口に広がった。
 友隆の身体が強張り、痙攣するように腰が跳ねる。射精せずに達した事を確認しながら晃志郎は快感に声を上げて搾り取るように締め付ける体内へと射精した。脈打つ己のペニスをぎゅうっと締めてくる内部に唇を舐めて乱れた髪を掻き上げた。

「おいおい、そこは可愛く鳴いてくれよ。すげぇ感じてんだろ?イッちまったなぁ。もう雌だな。お前はチンコ突っ込まれて奥突かれて、腰が浮くほどヨかったかぁ?……ったく、最高のメス野郎だな」

 はぁ、はぁ、と乱れて直せない呼吸を繰り返しながら、友隆は晃志郎を睨み付けた。ニヤニヤと己を見下ろす男に嫌悪しか生まれず、視線を逸らす。
 快感に飲まれかけた身体は言う事を聞かず、友隆は瞬きも出来ずに壁を見つめた。今の状況を考えるくらいに、頭は冷静だった。次第に身体を支配しそうだった感覚も取り戻し始める。
 出し切った晃志郎の手が友隆の膝から手を放す。どさっとベッドに落ちた足を見て、友隆は晃志郎が自分の事を『物以下』としか思っていない事をひしひしと感じた。そして心底気持ち悪さに舌打ちした。
 かつて、友隆はAVモデルたちに快感の引き出し方を教えていた。それは撮影を円滑にする為。少なからず仕事をする人間として敬意を持っていた。友隆は無闇に手を出したりせず、どうしたいか意見を聞き、手を貸す。
 友隆からすれば、ただモデルたちの要求に応えて、それ相応の見返りを仕事に還元してくれればそれで良い……それだけだった。
 けれど、モデルたちにからすると、あらかじめ知識や経験を与えてくれ、イレギュラーが起きても対処しながら撮影に臨めるだけの技術を授けてくれる人間だった。美形の友隆に甘い快感を教えられ、好意を抱く者も少なくはなかった。友隆にその気は全くない為、何に発展するでもない。どんなに感情がなくても、乱暴したりせず、商品として接していた。
 だが、晃志郎の行為は友隆のしてきた『業務』でもなく、ただの暴力。友隆を本当に『穴』としか思っていないのだろう。
 考え事をしていた友隆の唇を晃志郎の太い指が撫でた。血に濡れた唇を何度か擦ると、晃志郎はその指を舐めて友隆に挿入していたペニスを引き抜いた。
 ぐじゅ、ずるっと濡れた音が嫌でも耳に届いて友隆は目蓋を閉じた。

「腹壊しちまうかもな。女なら孕んじまうくらい出してやったから」
「黙れ。早く手を解け」
「……」

 反応を返さない晃志郎に呆れて友隆が目を開けると、洋服を着はじめていた。

「帰るわ。また穴使わせてくれよなぁ」

 このまま帰るのか?信じられない……と、友隆は晃志郎を睨みつけたが、言葉は無かった。あの背中は何も聞く気が無い。言葉にするだけ無駄なのだ。

「……友隆ぁ、泣いてお願いしてみな?そしたら解いてやるよ?」

 泣けと言われて泣けるのか?友隆は不可能だと諦めて自力で外そうと身体を捻った。手首が捩れたが、気にしても仕方ない。このままではいられないのだから。








text top

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -