50



「は、ん…っ、ふぅ、うっぁ、あぁあっそれ、やだっやだ…イく、い…ちゃう…」

 目尻に涙を貯め、はぁはぁと薄い胸板を上下させながらソイルは首を横に降り続ける。言葉通りソイルのペニスはギロアの口内でヒクヒクと震え、アナルに埋めた指が動けば先走りがトロトロと溢れた。
 嫌だと言いながらもソイルは視線をギロアの口元から逸らせず、慣れない口淫から時折口を離す唇を見て頬の熱が上がった。口元を拭うギロアの髪を撫で、ソイルは快感から緩んだ顔で微かに微笑む。

「きもちくて…もう、無理…」

 息を詰め、腰に力を込めてソイルは起き上がった。ぬるんと抜け出た指の感覚に腰が戦慄く。耐えた様な甘い声がソイルから漏れ、大丈夫か?とギロアが顔を覗いた。

「ケイナン」

 ソイルは座っているギロアに跨がり、対面座位の形で抱き付いた。足を開き、手探りでギロアのペニスに触れる。感触を確かめてから自分のアナルへ充てると、もう片手で入り易いように尻を広げてゆっくりと腰を下ろした。

「ん、ん、ぅ…んぁ、あ…でか…」

 ゾクゾクとした快感の波がソイルの背筋を這い上がり、半分ほど飲み込んだ頃には内壁が蠢き、もっともっとと吸い込むように大きなペニスを奥まで飲み込んだ。

「は、ンぅ…なか、いっぱ…い、あっつい…」

 呼吸を落ち着かせるようにしばらく動かず、ソイルは甘えるようにギロアの首へ腕を回した。支えるようにソイルの腰にあった手が背中へ滑るように移動する。一瞬びくっと強張った身体も、熱い手のひらを感じて緊張を解いた。ギロアはソイルの背中を撫でるように抱きながら唾液が滴る口元を舐めた。

「可愛いやつ」

 小さなギロアの呟きも抱き付いていればソイルにも届いた。ぎゅっと腕に力を込めると、応えるようにギロアも強く抱き締めた。
 ソイルがペロペロと首筋を舐め、ちゅっと吸い付くとギロアはくすぐったそうに身体を動かした。

「おい、跡は付けるなよ」
「やだよー」
「じゃあ襟より下だ」
「恥ずかしいの?」
「…俺をいくつだと思ってる?そんなん付けて仕事に行けるか」
「へぇ、可愛いんだね」

 少し余裕を取り戻したソイルがギロアの呟きを真似、屈託のない笑顔を向けると、ギロアは呆れ顔で笑みを浮かべる口元に口付けた。ソイルがその先を強請ると、甘く応える。
 ギロアがソイルの腰を掴み、ぐっと突き上げた。ソイルは小さな悲鳴を上げて無意識に腰を浮かせたが、ギロアはそれを許さずに腰を掴む指先に力を込めて自分の方へ引き寄せた。まるでごりごりと抉られるような強さで性感帯を圧迫するように擦られ、ソイルは腰が抜けそうな程揺さぶられる。掴まっているのがやっとのソイルをベッドへ押し倒し、ギロアは肌を打つように動きを速めた。

「あっ、あぅ、っ、は…っんぁ!」

 ずるっとギロアのペニスが抜かれ、ソイルの身体はビクッと跳ねた。とろりとソイルのペニスから精液が滴り落ち、未だにひくひくと物欲し気にするアナルへ再びギロアの滾るペニスが突き入れられた。奥まで全てを押し込むように腰を使われ、ソイルの腰や足がびくんと大きく跳ねた。

「抜くのが好きか」

 ゆるゆると抜き差しを繰り返しながらギロアは達してしまったソイルのペニスに触れた。ただ触れただけでも大袈裟に腰が揺れ、いやらしい雰囲気を晒すソイルの姿にぐぐっとギロアのペニスが反応する。

「や、あ…中、すご…いぃ…っ、だけど…俺、ばっかぁ…」
「俺も気持ちいい」

 瞼を閉じ、微かに汗を滲ませるギロアに、ソイルは男の色気を強く感じた。きゅっとアナルが締まり、お互いが小さく息を吐く。
 ソイルは震える脚をギロアの腰へ回し、力を込めて押し付けた。

「ん、…もっと、して…」

 もっと、などクラーク相手に恥ずかし気も無く強請っていたソイルだが、ギロア相手になれば全てが恥ずかしいような
、少し遠慮してしまいそうになる部分がチラリと見え隠れしてしまう。それでもソイルは奮起して求めた。

「すき、ケイナン…俺、ホント…なんでだろ…」
「煽るなよ」

 ギロアの熱の籠った声を耳元に聞きながら、ソイルはごくっと喉を鳴らした。
 肌を打つ音と、ソイルの声がベッドの上を跳ねる。どれだけ達しても足りないとばかりにギロアのペニスにしゃぶりつくソイルのアナルとは反対に、身体はくたくたで最早ソイルはベッドに身体を預けて翻弄されるだけとなった。
 声が掠れ、繋いだ手にさえ力が入らなくなった頃にはソイルの意識もくたくたになっていた。うとうとするソイルの額に唇を寄せ、ギロアが身体を離す。ソイルの腹はギロアの出した物と、己が何度も達した所為で随分卑猥に汚れていた。
 拭かなくてはと、タオルに手を伸ばそうとするがソイルは身体に力が入らず呆然と自分の指先を見つめた。その先でギロアがタオルを掴んでいる。

「…スゴかった…」

 未だに余韻が強く残る身体を震わせ、ソイルは目を閉じた。


 



text top

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -