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「ソイルのこと、好きだなぁ……」

  クラークは担いだ脚の膝裏を支え、もう片方の手でソイルのアナルを広げるよに指で肌を押し広げ熱いペニスをゆっくりと埋めていく。ソイルは挿入の感覚にぞくぞくしたものを感じて小さく鳴いた。己の指では到底届かない所まで熱く太い他人が入り込んでくる。ソイルは無意識にアナルを締め、奥へ奥へと誘うように内部が蠢いた。クラークの口から色気を含んだ吐息が漏れる。

「あー……すっげぇイイよ……ソイルのアナル、ひくひく震えてる」

 結合部を舐めるように見つめながら腰をぐいぐいと回し始めたクラークにソイルはしがみついた。

「あ、あっ……んん、っんあぁー……っぐりぐり、や……やめろっ」

 やだよ、とクラークは笑ってますます大きく、抉るように奥まで入り込んで腰を動かした。ソイルの腰が跳ね、担がれた脚の指先がビクビクと震える。

「イイ子にしてなって」

 ゆっくりとペニスを引き抜きながら言われたクラークの言葉にソイルの心臓が飛び跳ねた。ギロアの声が耳の奥で響く。ひくひくとアナルが蠢き、ペニスを求めるように内壁はうねる。ソイルはゆっくりと目を閉じ、心の中で『ケイナン』と呟いた。いくら行為に夢中になっていても、相手の名前を間違えるなんてありえない。ソイルの理性が名前を呼ぶことを制する。そっと目を開けたソイルを、クラークが優しく見つめていた。

「何考えてたの?今のカオ、かなりエロかったよ」
「っ、ひ、ああっあっ!あっ、クラ、ク……」
「はっ、すごい締め付け。熱いし、もってかれそ」 

 パン、パン、と肌がぶつかる音がソイルに届くほど激しくクラークが腰を打ち込む。 抉るようにイイ所を擦られ、ソイルは縋るようにクラークの首へ腕を回した。口から漏れるだらしのない声は止められず、はーはーと呼吸が荒くなりソイルの口端から唾液がゆっくりと滴った。

「何考えてこんなに厭らしいことになってるの?いつもより中も熱いし……気持ちいい」

 クラークはその唾液を舐めとり、舌を絡めて吸い上げる。グポグポとかき混ぜるような少し乱暴な腰使いにソイルは一層鳴いた。

「も、むり、無理っ!クラ、ァクっそこ、やめっ……んん、っひ、ァアーッ」 

 ソイルのイイ所を知り尽くしているクラークは容赦なく前立腺を攻め立て、ソイルの震えてトロトロになっているペニスを強く擦り上げた。

「っあ……!」

 ガクガクと腰を震わせ、背を反らせてソイルは達した。濡れた目元が赤く色づき、クラークを興奮させる。抱えた脚を解放し、ソイルをひっくり返して腰を掴んだ。バックで挿入するために尻たぶを左右に開くようにアナルを広げる。くぱくぱとペニスを欲するように収縮し、塗り込めたソイルの精液が白く糸を引き卑猥さを増していた。

「ん、クラーク……見るなよ……」
「見て欲しいくせに」

 クラークの言葉にソイルのアナルがきゅっと締まる。ソイルは羞恥から逃れるためにベッドへ顔を埋めた。目を閉じれば現れるギロアの姿に静かに涙が溢れ出す。絶対に触れられない。触れたい。

「は、う……もっと、して……」

 クラーク、と名前を呼ぶと、滾るペニスか内壁を押し広げて一気に奥へ突き込まれた。ソイルは一瞬呼吸が止まるほどの快感が背筋を駆け抜け、腰を震わせた。 自分に触れる手が、彼のものなら。そう考えて、ソイルは全身が熱くなり、焦った。可笑しな考えをしている己に鳥肌が立つ。一番嫌悪の対象になる年上で体格のいい奴の姿が、どうしてちらつくんだと拳を握り締めた。まさか好きになった?と自分に問い掛けたが、全力で否定する自分も確かに存在する。
 好きじゃない。好きじゃない。ソイルはベッドに押し付けた顔を擦り付けて涙を拭った。それを見下ろすクラークが、背中を優しく撫でる。細い腰から綺麗に伸びる背筋を指先が滑る。数本、消えることのない古い傷が長く縦に線を描いている。その傷を労るようにクラークは肌を優しく、しつこく撫でた。
 ぬちぬちと音を立てながら出入りするペニスに、身体が戦慄く。理解できない感情に胸が痛む。ソイルは誤魔化すように腰を振り、クラークへ押し付けた。

「んあ、あっ、あっ……そこ、好き……クラーク……」
「ソイル……」

 熱っぽく名前を呼ばれたソイルは微かに後ろで己を貫くクラークを見た。視線が合う。クラークが微かに汗ばむ顔で微笑み、ペニスを引き抜く。身体を反転させ、再びゆっくりとソイルのアナルをペニスが満たす。クラークはソイルを見下ろし、涙の目元を舐める。手を繋ぎ、ゆっくりと腰を動かした。ソイルは甘く疼くような刺激に身体をくねらせた。

「ソイルを泣かすのは誰だよ。許せない」
「……はぁ?泣いて、ないし……」
「……そっか」 

 クラークは身体を密着させ、何度も口づけ、ソイルも夢中で舌を差し出し、積極的に舐めた。

「は、あっ……もぉ、イきたい……」
「はいはい」

 腰を揺らめかせ、クラークの首もとにしがみつく。ソイルは脚を広げて深く求め、クラークは卑猥な音を立てながら貪欲なアナルを突き上げる。

「っ、締めすぎだっ……」
「あ、ぃっ……イイ、っだ、出し、てっ……っ」

 大きく腰を動かしたクラークに強く突き込まれ、中へ熱が注がれる感覚に息を詰めた。ソイルはひくひくと震えながら己の腹へ僅かな精液をとろりとペニスから垂らした。
 





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