MERINGUE CAFE | ナノ


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「ふうん、類っていうんだ? 優生、その台詞、達志に少なからず好意はあったって言ってるよな?」
「ダチとして好きだったよ」
「それだけ?」
「それだけだな。まぁでも、達志に出会わなければ、類と出会っても友達のままだったろうな」

それどういう意味だ?
三雲の瞳が問うていた。


「優生!」
後ろから声がした。
振り返ると類がいた。

「画材足りなくて出て来たんだ。友達?」
類はちらりと三雲を見た。

「話した事あったろ、ミクだよ」
「ああ、三雲さん。僕は桜庭類」
「瀬野三雲です」
「瀬野……。まさか瀬野明彦と繋がりがあったりする?」
「はぁ、兄貴です」
「うわぁ世の中狭いな」
「類、ミクの兄貴知ってるのか?」
「だって同級生だもん。まさかと思ってたけど。じゃあ、三雲君と何度か会ってるよ」
「俺と? 覚えてないなぁ」
「覚えてないほうがいいよ。ここで会った事、明彦に言わないでね。あいつに見つかると面倒なんだよ」
「ああ、わかります」
三雲は頷いた。

「類さん、これから優生と飯食うんですけど、どうですか」
「え、そうだっけ?」
「付き合えよ」
軽く睨まれた。

「いいよ」
類は快く頷いた。



その後入った居酒屋で、2人は意気投合し、優生そっちのけで話していた。

「ね? 2人って一応、男女の仲だったわけじゃん? ちゅーした事あるの?」
ぶっと呑んでいた酒を吐き出した。

「優生、汚い」
「誰のせいだよ」
類を睨んだが、酔っ払いに意味はなさなかった。

「あるの?」
可愛く上目遣いで見上げられ、言葉をなくす。

「あるよ」
優生の代わりに三雲が答えていた。

「えー、そうなのー。やらしー」
呂律も回っていないし、何がやらしいのか、優生は類が持っているグラスをテーブルに置いた。

「やー、呑むのー」
「飲み過ぎだ。悪い、ミク、そろそろ帰る」
「そうだね、お開きにしようか。楽しかったよ。優生に類さん、達志より合ってるのかもしれない。
達志がいない時間なら店に来ていいよ。達志特製コーヒーは作れないけどさ。類さんと来てよ」
「サンキュ」

礼を言ってその居酒屋で別れた。

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