Aqua blue | ナノ


▼ 11

日向side

☆★☆★☆★☆★☆★

悪くない、そう言われて悪い気はしない。

その時昼休み終了の予鈴が鳴った。

楽しい時間はすぐ過ぎる。
センパイを見ると名残り惜し気におれを見ていた。
一緒にいたい気持ちは同じで、嬉しい。

「戻る…ね?」
「ああ」
センパイが近付いて来て唇が唇に触れた。

「放課後な」
頷いて屋上を後にした。赤い顔、見られずにすんだかな?

教室に戻りかけて携帯を忘れて来たのに気付いた。


慌てて引き返した屋上。

まだセンパイは屋上にいた。隣りにスバルがいた。

「サボるわけ?」
「お前もだろ」
「5限エーゴだもん」
「あー、サボりたくなるな」
センパイが笑った。
「チガサキさー、昨日覗いてたよな?」
「なんだ、バレてたのか」
「それ、俺のセリフ。俺が、シンが誰かって判ってて知らないフリしたのバレてんだろ」
「まぁね」
スバルとセンパイの会話。なんとなく入りづらい。
「また、シンて呼んでもいいか?」
「いいよ」
2人、知り合いだった?
でも2人に接点はないはずだ。
同じ中学というだけで。
「なんで知らないフリしたんだ?」
センパイの問いに困ったように肩をすくめたスバル。
センパイはそれ以上聞かなかった。
「カイチョー、」
「なに」
「レンジもこのガッコってオレ昨日知った」
「アイツ、特進だから。特進は棟が違うからな」「だから会わなかったのか。ってアタマいいんだ、アイツ」
「昔っからさ」
レンジ。
そういえばレンジも藤川中だ。
ヒナタは2人を見ながら思う。
「何してんだ、ヒナタ」
突然声をかけられビクリと背中が震えた。
振り返るとレンジだった。
噂をすると影?
「シィッ!」
唇に人差し指をあてる。
「スバルとシンじゃん」
「うん」
「声かけないのか?」
「ん、まぁ、うん。え? シン?」
シン、さっきスバルもシンて。
「アイツの名前、新<アラタ>だろ。中学の時、シンて呼ばれてたんだよ」
「ふうん」
そうか、レンジはスバルと同じ中学だった。つまりはセンパイとも同じ。
「レンジ、何しに来たの」
「決まってるじゃん、サボりに」
そう言うとおれを置いてスバルのほうへ歩いて行った。

prev / next
bookmark
(11/13)

[ back to top ]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -