▼ 9
日向side
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1日会わなかっただけなのに、ね。
ドキドキする。
センパイの横顔。
センパイの瞳がおれを捕らえるとセンパイは手招きした。
とことこ歩いてセンパイの横に立つ。
「ごめんな、昨日電話とれなくて。疲れて寝ちゃってた」
夜、センパイの携帯に電話したけれどセンパイは出なかった。
「おれもかけるとかいいながら遅くなっちゃったし」
おれはぶんぶん首を振った。
「スバル、なんか言ってた?」
「何を?」
「おれがガッコ休んだ理由」
「いや、聞いてない」
「そっか」
そういやスバルも昨日帰って来た時何も言ってなかったもんね。
「聞いていい? 理由」
「んー、病院行ってた」
「どっか具合悪かったのか?」
おれは曖昧に頷いた。
「あ、スバルが昨日こんなのメールして来たよ」
センパイに携帯をかざす。
センパイは気にした様子もなくどれ、と携帯を覗き込む。
「げ」
センパイが声を上げる。
それは屋上の冊に寄り掛かり、タバコを吸うセンパイだった。
「いつの間に」
このセンパイを見た時、この光景を自分の目で見たかったと思ったのは内緒。
その画像のセンパイはすごくカッコ良かったから。これはおれの宝物。
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