心の欠片 | ナノ


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「俺が大人しく抱かれると思うか、五月」
「思わない。だから大人しくしてて……」
言うなり五月は抱き付いて来た。
「バカか? タチ同士どう抱き合うんだ。俺がお前を抱くって言うなら話しは別だけどな」
尊は五月を押しのけてドアへと向かう。

「五月、大和は別に恋人じゃない。セフレだ。まぁセフレの中じゃ1番かわいくて身体の相性もいいけどな」
にやっと笑ってみせる。
「この際言うけど、俺は五月タイプじゃねーの。お前にあったネコちゃん探しな」
部屋を出た尊は自販には向かわず、真っ直ぐ自室に向かった。扉を開けるとそこに大和がいる。

「大和!」
部屋に入るなり大和の名前を呼ぶ。
ベッドの上に顔を真っ赤にして耐えている大和がいた。
「タケルっ、も……」
涙でけぶった瞳が尊を見る。
「いいぜ、イッても」
大和が腕を伸ばしてくる。大和はキスしながらイくのが好きなのだ。
大和にキスを落とし、大和の中でうごめくローターを一気に引き抜いた。
「ひゃうん」
大和の背が弓なりになり白濁した液体が身体にかかる。
腕についた精液をペロリと舐める。
笑うと大和は顔を両手を隠した。
その手をどかせて顔を覗き込む。
「大和、かわいい」
「……ホント?」
「ん、ホント」
「1番かわいい?」
セフレの中では、その言葉は飲み込んで、大和は尊に聞いた。
「そうだな、1番だな」
大和はそれを聞いて微笑んだ。

「好き」

自然に呟きが漏れる。
けれど一度として尊からそれに対する返事を聞いたことがない。
言うといつも不機嫌になる。

それが悲しいと大和は思う。

「帰れ、やる気失せた」
「え!?」
「ほら」
床に散らばった服を大和に投げ、尊はベッドから降りた。
「尊!」
「またな」
「やだ、もう言わないから!」
「またな」
二度も言われ渋々大和は服を来た。
服を着て尊を見る。
「尊……」
なにより好きという言葉を嫌う尊。
尊は大和に見向きもしなかった。
「ごめんなさい、尊。また気が向いたら呼んで?」
大和が出て行った後、尊はバスルームに入りシャワーを浴びた。
服を着替え、尊は部屋を出た。

尊の目的地は学校の保健室。
保健室には一人の保健医しかいなかった。
「松前センセ」

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