心の欠片 | ナノ


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「やぁ…っ、はぁっ」
大和が乱れるその姿を見下ろしながら尊は意地の悪い顔を大和に向けた。

「なぁ、大和。のど渇かないか?」
「はっ…えっ?」
「買ってくる」
尊は大和から離れる。
「やっ尊っ!」

ここは学校の寮。二人は事の真っ最中。……いや、尊が大和の蕾にローターを入れ乳首を攻め、際どい所を触り、攻めていただけ。
尊は服も脱いでいない。

「俺がいない間にイったら、わかってるな?」
「やっ……無理ぃ」
先走りがとろとろと大和の身体を濡らしている。
「いー眺め」
笑って部屋を出た。

自販は寮の食堂と風呂場の横にある。

「尊」
呼ぶ声に振り返って顔をしかめた。
「そんな顔、しないで下さいよー」
尊よりも身長が高く(年下のくせに!)、男前の顔をした、如月五月。

「ねー尊。大和どこ?」
「呼び捨てにすなっ! 大和は俺の部屋だ」
「ふーん?」
意味あり気に五月は尊を見るとにこっと笑った。
「あっオレ、コーヒー買いに来たんだ。尊は?」
「俺もだよ」
内心舌打ちしつつ答えた。目的地は同じかよ。

「そうなの? じゃ一緒に行きましょ」
「来るな。うざい」
「尊」
「だから呼び捨てにするなって!」
「ケチ」
「うるさいっ」
尊は怒鳴って五月を睨んだ。
「好きだ! なぁ大和やめてオレとつきあってよ」
「テメッしつこいんだよ」
「じゃあ、帰さない。あんたの部屋に大和いるなら」
「はあ?」
ぐいっと手を引かれ、つんのめりそうになる。
「おいっ」
顔を上げたら奴の顔が目の前にあった。
身体を引いた途端、押さえられ唇が重ねられていた。
「な、にっしやがるっ」
怒鳴った途端、更に深いディープをかましてくる。
「このっ」
舌を噛んでやろうとした時唇が離れる。
五月の感触が残る唇を腕で拭った。
「離れろ、クソが」
五月は無言で掴んだ尊の腕をひっぱる。
思っていたより強い力になすすべなく五月の部屋に連れ込まれシングルベッドに投げ出された。

「いい度胸してるな、お前」
「そうですか?」
しれっと答えやがった。
「で、どうしたいわけ? 俺を連れ込んで」
「抱きたい」
尊の眉が寄る。
五月が近づいて来る。

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