スピンオフPink chanmery | ナノ


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「心配だ」
「いや、心配するような事ないけど……」
「あるだろ! 相手はヤクザだ」
「けど――」
「怪我して……。どれだけ心配したかわかんないだろ」
「知ってたの……」
大地はこくんと頷いた。

「あいつ、意外といい奴だよ。組長と頭下げに来たし」
「そんな事、知ってる。東雲組はそんな乱暴な組じゃない。普段は親しみやすい人達だ。けどね、肩書きはヤクザ背負ってる人達なんだよ。俺らとやっぱり住むところが違う」
「……それは、そう、かもしれないけど」
大地はぽんぽんと貴大の背を叩いた。

「あんまり深入りはしないでくれ」
「わかった」
貴大は素直に頷く。大地はホッとした顔をした。

「……知り合ったのが東雲で良かったよ」
「他の組とかヤバいわけ?」
「ヤバい。だから、東雲以外と知り合うなんてしないでくれ」
「約束する」
大地に向かって小指を出す。貴大の小指に大地の指が絡まる。

「約束だよ?」
「うん。約束げんまん、嘘吐いたら針千本、飲〜ます! 指切った!」
切った指を見せる。

「大地、俺を心配して言ってるのわかるし。深入りって東雲組の事、知るなって事だろ?」
「そう」
「大丈夫だよ。でもうちの店、バックが東雲組が付いてるから、ヤバそうになったら連絡入れるよ。大地に。それにプライベートな付き合いはもうないと思うし」
「そうだね。あ、シャワー浴びて来て」
「大地も一緒に入る?」
「え……、と。うん、入る」
聞いた貴大の方が驚いた。まさか大地が入るなんて言うとは思っていなかった。

昨日、あんなに恥ずかしがっていたからだ。

「マジで?」
「ダメ?」
「いや、むしろ大歓迎だけど」

大地と風呂場で洗いっこしながら純粋にシャワーを浴びて、出てきた。

大地から同じシャンプーとボディーソープの香りがする。

大地とキッチンに立って鮭を焼いて、味噌汁を作って食べた。

それから大地と出掛ける。

まずは弾の家と寮に寄ることになった。

弾の家に行けば、弾は貴大と大地を見てニヤッと笑い、家に通してくれた。

弾の家に置いているモノは少ない。スーツから弾の家に置いていた服に着替えた。

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