スピンオフPink chanmery | ナノ


▼ 9

「貴大、座って」
大地がソファーに座る。隣に貴大は座った。

「……大地」
「何?」
「ありがと」
「どうしたの? 貴大」
「どうもしないけど、大地と付き合えるってだけでなんか嬉しいから」

気持ちがふわふわしていた。酔ってるせいもあるかもしれない。

「俺も嬉しいよ」
笑顔の大地が言った。

嬉しいよと言った唇にそっと重ねた貴大の唇。大地の唇は柔らかかった。

唇を離すと熱っぽい大地の瞳とぶつかった。

「だい、ち」
「ん」
大地は目を瞑る。

「キスだけじゃ、収まんなくなりそ」
再び唇を合わせる。

貪るように大地にキスする。
チュッと音をたてる。

「……貴大」
誘うように貴大を呼んだ。

大地のこめかみにキスして離れる。

「……」
「ゆっくりしていこ。大地」
「……うん」
ふわりと大地が笑う。

「寝ようか。眠くない?」
「正直、眠たい」
素直に大地は答えた。

「だよな。寝よ。俺、ここで寝るから」
「駄目。一緒に寝ようよ」
「いいの?」
「いいよ」
立ち上がって大地の寝室に入る。

前に借りたパジャマに着替えて、二人してベッドに潜り込む。

「……あんまり会えないけど、なるべく時間作る。……会えないの、俺がさびしいからさ」
「ありがと。俺も時間作る」
貴大も答える。

二人で笑い会う。

「あの合い鍵あげる。いつでも来ていいよ。なんにもない家だけど」
「……大地と住みたいな。そしたら顔、合わせるじゃん? 駄目?」
「一緒に? ……大地、一緒に住みたいの?」
「一緒に住みたいよ。早いかな」
「かもね。でも、いいかも。なかなか時間、合わないから、だから一緒に住むの、いいかも……」
嬉しそうに大地が言う。

「マジ? 俺、ここ来ていい?」
「うん……」
ニコリと大地がふわりと笑う。おでこにちゅっと音をたててキスすると顔を赤くしてひっついてきた。

大地の体温が心地いい。かすかにいい匂いがする。

「おやすみ……」
吐息のような声。半分、夢に入っている、そんな声。

「おやすみ、大地。いい夢みて」
大地を抱きしめて、貴大は目を瞑った。

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