Pink champagne | ナノ


▼ 13

家に戻ると昴が大地の顔を見て、マジくりそつと蓮路と見比べる。

「双子って、双子なんだな」
昴が感心したように言う。

「なんだ、それ」
「いや、双子だから離れててもやっぱり同じ顔なんだと思って」
「そりゃそうだろ。双子だから互いに似せようとして似せてるわけでもないし」
「だよな。一卵性って、スゲー」
「え、一卵性って?」
拓海がわからない顔で尋ねた。

「一卵性は卵が1つ。二卵性は卵が2つ」
「双子って2種類あるって事?」
「そう。一卵性は似るし、大概性別も同じ。二卵性は男女もいるし、一卵性みたく似ないな」
「へぇ」
「お前、今まで双子とかに出会わなかったわけ? 保健体育とかでもやるよな、多分」
「やったかな。覚えてない」
「だからお前、バカなんだよ」
「えぇー。保健体育関係ないと思う」
「全般的にだ。勉強しろ」
「うー」

拓海を放り、蓮路は大地を座らせた。

「あ、さっき、新から電話あってさ、来るって言ってた」
「ふうん。何、あいつ、暇なわけ?」
「さぁ? でも、来るなら計画はたてやすい。あ、大地も入れよう」
え、何? そんな顔で大地は蓮路の顔を見る。

「そうだな。けど大地は時間不規則だぜ。多分」
「え、大地何やってる人?」
「刑事」
「刑事? え、まじ?」
驚いた顔を向けてくる昴に、蓮路は大地の代わりにそうと返事をする。

「裏方でもいい。時間の調整はする。人材はあればあるほどいいし」
「えっと、何の話?」
「あー、ショーをしようかと思うんだ」
「ショー? 何の?」
「ここにいる昴と新と俺の先輩が亡くなった。理由があって俺らは葬式には出れなかった。だから、先輩の為の弔いのショーだ。ファッションショーだな。モデルになりたい夢が先輩にはあった。先輩をモデルとして立たせてやりたい。俺らは、先輩の夢を叶えてやりたい」
「いい先輩だったんだな。蓮路達に慕われて」
大地が目を細めていいね、と言った。

「先輩がモデルなら、じゃあ俺は美容師になる。将来、トップモデルの先輩の髪をセットしてやるって」
「そうだよなー。そんな感じでメイクのほうに進んだもんなー」
「そうなの?」
拓海が意外そうに昴と蓮路を見る。

「新もそう。ま、あいつ元々アパレル系に興味あったからな」
「新さんてアパレル系なんだ」
「おいー、拓海ぃ。お前の着てる服だって新のデザインだぜ」
昴に言われて、えぇ! と拓海が声を上げた。

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