Pink champagne | ナノ


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朝起きれば新がソファーに座り煙草を吸っていた。
結局新も泊まったのだ。

「おぅ」
顔を上げた新が蓮路に気付く。
「……はよ」
「昴は?」
「シャワー」
長い付き合いだ。勝手知ったる、そんな感じだ。

「蓮路、髪切って」
「店、来いよ」
「予約しなくていいわけ?」
「予約してたら3ヶ月待ちだ」
「さすがカリスマ美容師」
「……雑誌に載ったからな。自分じゃ、カリスマなんて思ってない。店長のほうがずっと上手い」
「あー、神楽店長か」

雑誌に蓮路が勤める美容院アクアが載り、蓮路はカリスマ美容師として取材された。

「昴も取材されたらしいぜ。メイクアップアーティストの1人として」
「次はおれだな」
そう言う新はデザイナーとして活躍している。

新が立ち上げたc.ARATAブランドは若者を中心に名が広がった。

「拓海君が着てるのっておれの服だろ」
「ああ。c.ARATAは安く手に入るからな、お前から。それにc.ARATAはかっこいいし」

そこで昴の声がした。
「蓮路、服ー」
バスタオルを腰に巻き、昴が立っていた。

「つい癖で洗濯機に放り込んじゃったよ」
「部屋のクローゼットから適当なの着ろ」
「うぃーす」
昴の素足がペタペタとフローリングの床を歩く。

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