Pink champagne | ナノ


▼ 7

「俺が? そうだな、王子。その一言に尽きるな」
「そうだな、あの人王子だったよな。あだ名プリンスだしな」
「あー、そうだったなぁ」
3人で笑って。


「先輩が大学2年の時入院して。出てこないまま先輩は死んだ。先輩が入院したのは俺のせい。俺が、昴と新が通夜に行けないのも俺のせい」
「蓮路、自分せめるなよ。先輩は絶対蓮路のせいなんて思ってない」
新が強い口調で言うと、

「先輩、笑ったもんな。バイバイって」
「そうだよ」
昴も同意するように頷いた。

「拓海はわかんないな。どっから話すかな」
話に付いていけない拓海はただ聞くだけだ。

「聞いていいの?」
「むしろ聞け」
3人同時に拓海に声を上げていた。


「ハルと昴が出会ったくらいの時にスバル先輩と会ったんだ。スバル先輩はハルと違って同じ高校でさ」
「蓮路さんはなんでスバルって呼んでるの?」
「たんに略しただけだ。それ気に入ったらしくて俺だけその名前で呼べってさ」
「ふーん」
「蓮路って澄春先輩のお気に入りだったから」

そこで昴の携帯が鳴る。
その場で携帯をとる。
遠慮のいらない親友だから、一言入れてその場を離れたりしない。

二言三言話し、電話は切れた。

「ハルから。戸締まりして寝ろよだって」
「泊まっていけ。帰っても1人だろ」
「いいの?」
「あったりまえだろ」
そう言う蓮路に、昴は拓海に同じ事を聞いた。

「いいの?」
「あー、どうぞ」
拓海が笑って言う。

「なんで拓海に聞くんだ、昴」
「え、だって。ここの部屋の世話してるの、拓海君じゃん。ねぇ? 新」
「まぁね」
「それにおれらって、蓮路はいいかもだけど、お邪魔虫だろ。拓海君、蓮路と過ごしたいなら帰らなきゃとかさ」
「そこまで心狭くないです」
拓海が笑って言う。

「あー、何て言やいいんだ。澄春先輩の事。蓮路だって拓海君に聞いて欲しいんだろ」
「ほんとはさ、言おう言おうと延び延びにしてきたから言いたいけど、そう、何て言ったらいいのか……」
3人は溜息をつく。

「拓海には俺がゆっくり話すよ。言うきっかけにもなったからさ」
「じゃあさ、騒いで見送ってやろうぜ。澄春先輩を」
グラスに入った日本酒をくいっと飲み、なっと新が笑った。

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