Pink champagne | ナノ


▼ 5

「その前に風呂入ろう」
拓海を風呂場に押し込む。
シャツを脱がせると上半身があらわになる。

「痣になってる」
蓮路が蹴った拓海の腹は青痣になっていた。

蓮路はゆっくりしゃがんで痣になった腹に唇を寄せた。
すると拓海が蓮路の頭に手をやった。

「して」
「やだ」
口では断りを入れた蓮路だが、蓮路の手は拓海のズボンのファスナーを開けていた。

拓海がそれを見て目を瞑る。

「やだっつたろ」
拓海の中心を握り蓮路は不敵に笑った。

「まだ痛いのに」
拓海がお腹をさする。

「他にも痛くしてやろうか」
握っていた拓海の中心に力を込める。

「蓮路さん、痛いよ」
「かわいい」
痛さに歪む拓海の顔。蓮路は手を離し、立ち上がると拓海にキスした。

「蓮路さんのかわいいの基準がわかんない」
「拓海はカッコいいけどな、ふとした顔がかわいいんだよ。今みたいな歪んだ顔とか」
「やっぱわかんねー」
「俺だけわかってたらいいんだよ」
にこっと笑うと拓海もつられて笑い返す。

「拓海」
「うん」
「髪、洗ってやるよ」
「うん」


今日、神楽が触った髪に手を入れる。
狭い風呂場で男2人。

「神楽さんてすごいね。すっげ丁寧なのに、早くてさ」
「神楽さんは俺の憧れの人だ。神楽さん見て神楽さんの店で働きたいって思ったんだよな」
「へぇ」
シャンプーを付けて拓海の髪を洗っていく。

「蓮路さんが美容師になろうと思ったきっかけって何?」
「……」
蓮路の手が止まる。

「……きっかけ、か。スバル先輩かな」
「スバル? 昴さんと同じ名前?」
「いや、スバル先輩はスミハルが本名だ。ハルの従兄弟だったかな。あ、違う。はとこだ」
シャワーでシャンプーを流せば今度は拓海が蓮路の髪を洗った。

背中を流し合い、風呂から上がったのは風呂に入ってから1時間後だった。



「お前ら風呂長い」
ソファーに昴が座っていた。

「昴さん、お久し振りです」
ぺこっと拓海が頭を下げる。
「久し振り」

中学からの蓮路の親友。蓮路が信頼を置き、蓮路のマンションの鍵を持つ1人だ。

「蓮路、2・3日泊めて」
「ハルと喧嘩でもしたのか」
「ハルが実家に帰ってるから」
「へえ、珍しい」

蓮路は座らずキッチンに立つ。
「昴、何か食う? 俺メシまだなんだわ」
「焼飯。久し振りに食わして」
「ん」

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