Pink champagne | ナノ


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「久しぶりだね、蓮路さんと休み以外のお昼って」
歩きながら拓海がうれしそうに話しかけてきた。
「そうだな」

「ね、蓮路さんとレンさんて仲良かったっけ?」
「いや。まー良くもないが悪くもない」
「ふうん」
「俺が昴や新以外のヤツといたら変か?」
「変てゆーか、蓮路さんてあんまり自分から心開かないと、誰かと一緒にいるなんて事ないから」
「ああ、まぁ……。あいつと話が合うなんて思ってなかったからな。話してみればなかなかいいヤツだったよ。で、どこで食う?」
「ここ」
店から5分。イタリアンの店。

「最近オープンした店か」
「おいしいって言ってたダチがいたから」

中に入って席に着く。

シェフが2人。厨房が見える造りにになっていた。

「大地さんが家に帰るって。なんか大きな事件がおきたらしくて有給休暇が吹き飛んだって」
「そっか。……大きな事件って何だろうな」
「んー? 大きな事件って言うぐらいだからテレビでやるかなって思ってるんだけどね」

「いらっしゃい、蓮路」
「え?」
顔を上げて、蓮路は声を上げた。
「ハル」
「元気そうだね」
「お前も。てか店持ったんだ」
「うん」
「連絡しろよ」
「あは、でも雇われ店長だし。自分的に1号店にいる時とかわらないから」
にこりと、親友昴の恋人は笑った。

「君、拓海君?」
ハルこと春継は、拓海に視線を移す。
「あ、はい」
「はじめまして。あ、僕は昴の恋人、春継。よろしくね」
「あ、はい」
「ハル自慢のパスタ2つ」
「おっけ。期待してていいよ」
厨房に戻っていく春継。

「昴さんて恋人いたんだ」
「ああ。付き合い長いよ、あいつら」
「そうなの?」
「俺らが高2の秋に知り合って。ハルは別の高校行ってた。その時ハルはまだ大学行くか専門学校か悩んでた」
「一つ上?」
「そう。当時は春継先輩って呼んでた。俺ら」
「へぇ」
「あの頃昴はシンに告白したんだ。玉砕覚悟でな。その時現れたのがアレ」
厨房の中を蓮路が指差す。
「え、昴さんて新さんの事好きだったの!?」
「中学の時からな」

「今でも新を好きみたいな言い方だなぁ、蓮路」
2つ、皿を持ってきた春継は顔を引きつらせながらテーブルに皿を置いた。
「そうか? でももう昴が新を想ってないのはわかってるでしょ? 春継先輩?」
「そうじゃなきゃ、昴と新を引き離してる」

ごゆっくり、と春継がテーブルを離れていく。

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