▼ 002
いたずらそうな千鷹の瞳に抗議する。
「手っ」
「触る?」
「ん。っでも、キスして」
「了解」
時雨の臍にキスをして、ジーパンのボタンに手をかけ撫でる。
「ん……」
小さく喘ぐ声にうっすら千鷹が笑ったのに時雨は気付かない。
ジッパーを口で下ろし、反応しかけたそれに舌を這わせ、キスすればピクリと時雨が跳ねた。
「俺のウサギちゃん」
顔を上げた千鷹が時雨の頬にちゅっと音をたてキスすると、右手でゆるく時雨のそれを扱き出す。
瞳を閉じて快感を追う時雨の胸の突起を左手で摘んで弾きながら千鷹は優しいキスを繰り返す。
時雨の腕が自然と千鷹の肩へと回る。
もっと刺激が欲しいのか時雨の腰が揺れる。千鷹の右手が速さを増す。
「あ……」
時雨の吐息に熱が混じり、千鷹の手に欲望を吐き出していた。
良く出来ましたとばかりに千鷹の唇が時雨の唇に合わせられる。ジーパンが引き抜かれるその間、千鷹の右手は弾けた時雨の白濁を指に絡めその奥の孔へと伸びる。
「……っ」
何度も千鷹に抱かれた。千鷹は時雨の良いところを知っている。いきなりの快感に背中がしなる。
いつの間にか指は増え、中を解されていた。
くちゅっといやらしい音が時雨を犯す。
指が抜かれて千鷹を見ると、シャツを脱ぎ捨てジーパンを脱ぐところだった。
「ウサギ」
そう呼ばれて時雨は手を伸ばす。その手を取り、千鷹は手首にキスした。
「千鷹、座って」
千鷹の前に膝を付く。すでに千鷹の中心は反り返っていた。
千鷹は時雨を抱き上げた。
「しなくていい。そのまま腰降ろせ」
後孔にあてがわれる千鷹のモノ。ゆっくり時雨は腰を落として行った。
「……っ」
全部納めて千鷹を見るとキスをくれる。
「動くぞ」
下から突き上げられるようにして突いてくる。
「はっ、あっ、あっ……」
突かれる度に声が出る。バックや正常位より深く穿たれる。
「あ、チ、タカっ」
良いところをかすめていく。快感がぞわぞわと背中を走る。
「あっ……」
自分の前を触ることもなく時雨は千鷹と自分の腹に白濁を散らした。千鷹の動きが止まる。
「先にイくなよ、ウサギちゃん」
「ごめん」
千鷹が動き出す。かき回すように出て行き、そして突き立てる。
時雨の萎えた中心を千鷹の手が扱くように動いた。また熱が集まり出す。
くちゅくちゅと融合部が音をたて、時雨の羞恥を今更煽る。
「誘ってんのか、ウサギちゃん」
ゆっくり時雨の腰が誘うように動いている。
ぶんぶんと首を振る時雨をソファーに倒す。
「ウサギちゃん、一緒にイこう」
千鷹の瞳を見て頷くと微かに千鷹は頬を上げ笑った。
熱が集まる。千鷹ももう限界にきてるはずだ。
快感を貪るように追う。捕まえた瞬間、千鷹の動きが止まった。途端に千鷹の熱が弾けた。時雨も千鷹の手と腹に出していた。
ずるりと中心を抜き覆い被さってくる千鷹の身体は熱かった。
時雨の鎖骨にキスしてくる千鷹。千鷹の髪が肌をくすぐる。
たたた、と廊下を走る音が聞こえた。
「風呂、入って来い。甲斐が起きたみたいだ」
起き上がる千鷹を見ながら時雨も起き上がる。思っていたよりも重い腰を叱咤して立ち上がった。
すでにジーパンを履いた千鷹に見つめられ、顔が赤くなる。
「ほら」
あっという間に抱えられる。
「風呂場までな、ウサギちゃん」
所謂姫抱っこに時雨は顔を隠すように千鷹の首にしがみついた。
普段はこんな事、千鷹はしない。
「……千鷹は?」
「入る。けど、お前の着替え持ってこないと風呂上がった時、真っ裸だぜ?」
「……そうだね」
「ま、お前放置したままでもいいけどな。甘やかすって言った手前出来ないし?」
出来れば風呂場から裸で部屋まで走りたくはない。脱ぎ捨てた服を千鷹に頼むしかない。
風呂場で降ろされて千鷹は踵を返す。
「入ってろ。取ってくる」
素直に時雨は戸を開けて、精液を流すと湯船に浸かった。
東雲本家の屋敷の風呂は純和風の檜風呂だ。檜の香りがする。
しばらくして千鷹が入ってくる。
「なに、ウサギちゃん。もう処理しちゃった?」
「……まだ」
「して欲しくて待ってた?」
かっと顔中赤くなる。それをみて千鷹は、かーわい、と呟いた。
「上がって来い。洗ってやるよ」
湯船の縁に手をかけて千鷹の前に立つ。
千鷹はカランからシャワーに切り替えると湯を出した。
頭から湯がかかる。千鷹がシャワーを手に持ち、もう片方の手で後孔を広げる。どろりと千鷹が放ったモノが太腿を伝っていくのがわかると同時にシャワーで流される。
千鷹の指が後孔へ入っていく感触にぴくりと反応する。
シャワーノズルが外される。それをあてがわれると湯が時雨の中に逆流して来た。千鷹の指は中で広げられる。
時雨はぎゅっと千鷹にしがみつく。でないと崩れ落ちそうだった。
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