最強男 | ナノ


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「何?」
「千明がいる間、おれと珠希がいるから。千明としゃべるなとは言わないが、あんまり近づくな」
真剣な顔で弾が言った。

「弾、ありがとう」
礼を言えば、照れたように顔を背けた。

「弾、かわいい」
くすりと笑えばグーで殴られた。

「痛い」
「当然だ」
「じゃあ、かっこいい?」
「……お前、天然だよな」
「そう?」
きょとんと弾をみれば笑っている。

「そういえば天然だって、大分昔に言われた事がある」
「厚にか?」
「や、バイトの先輩」
「バイト、何やってたんだ?」
「レンタルビデオの店員」
そこで知り合った大学生に、ジンジロは天然だよな、と言われた。
仁はそこでジンジロと呼ばれていた。

「弾は? バイトしたの?」
「学校がバイト禁止だったし、金には困る事なかったからな、してねーよ」
「ふーん。弾、学校どこ?」
「聖城。千里も聖城だせ」
「えっ。聖城って、鎌倉の?」
「ああ」

聖城学院は幼等部から高等部まである指折りの名門男子校だった。

「弾て頭良かったんだ」
「微妙に失礼だな、お前。東雲、日立、新居家の男子は大概、聖城か聖望だ」

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