最強男 | ナノ


▼ 14

本宅に帰る道すがら、仁は携帯を新規で購入した。
千里は機種変更をし、色違いの携帯を持った。


千里のベッドの上で新しい携帯をいじりまわす仁。

「千里さんの携帯番号教えてよ」
千里が番号を言うと、一件登録、とうれしそうに千里を見た。

ぷるるる、と千里の携帯が鳴る。千里は携帯を見た。
見慣れぬ番号。

「俺の番号」
ぴっ、と通話ボタンを押す千里。

「仁」
目の前に千里がいる。直接耳に聞こえる千里の声と携帯電話を通して聞こえる千里の声。

「千里さん」

ぼそりと千里は何かを呟いて通話を切った。

千里が仁を見れば真っ赤な顔をして千里を見上げる仁がいた。


直接には聞こえなかった声は電話を通して聞こえた。


――今夜覚悟しとけ



ゆっくり仁は千里に近づき千里のネクタイをしゅるりと解いた。

「仁?」
一つ一つシャツのボタンを外していく。
下着を着ない千里の胸板が顕(アラワ)になる。

「覚悟はできてる、から」
「そうか」
千里の頭が降りてくる。

「いっ……!」
Tシャツの上から仁の胸の突起に噛み付くと、千里は仁の顔を見て笑う。

Tシャツをたくし上げ噛んだ乳首を舐めた。

「いいんだな、仁」
「うん」
たくし上げたTシャツを脱がし千里もシャツを脱ぐ。

「仁」
仁の瞳が千里の瞳を捕らえる。
「キスしろよ、仁」

ぎこちなく、仁が唇を重ねる。ただ触れ合うキス。
徐々に深くなるキス。おずおずと仁の舌が絡んでくる。

「もっとだ、仁」
舌が絡み合い、唾液が溢れて仁の顎を伝って落ちる。
それが合図のように千里は仁を押し倒した。

ベルトのバックルに手をかけるとびくりとすがるような仁の瞳。

「覚悟できてるんだろ」
「……いじわる」
キスして千里は仁のズボンを脱がしだ。

「怖がるな。大丈夫だから」
「ん。……あっ」
千里の指が仁の下肢に触れる。仁の唇に首筋に胸にキスを落としていく。

もうそれだけで仁の身体は熱を帯びた。

最後に仁の下腹部の中心にキスすると先走りが仁を濡らす。

「感じやすい身体してるな」
「千里さんが! ンなこと、するから」
仁から抗議の声が上がる。
軽く千里を睨む。

千里が軽く微笑むと仁が息を詰めた。

「その顔、やばいって」
仁が目を瞑る。

「あ、はぁ」
千里の指が仁を追い詰める。

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