一万円・番外 | ナノ

 タカパンマンVer.



それゆけ!タカパンマン





※注意
・某有名アニメ、ア○パンマ○のパロ話です。
・アンパ○マン役→高瀬、バイ○ンマン役→仁湖
・擬人化(?)の姿です。(お好きな姿をご想像くださいませ)

以上の内容が苦手な方、嫌悪感がある方は、ここでお戻りされた方がよろしいかと思います。
見てからの苦情・批判発言は一切受付けておりません。

大丈夫な方、以上の内容が守れる方のみ、スクロールお願いします。







俺の名前は高瀬葵。
町を襲ってきた怪物を倒したことにより、俺は町の奴等から「ヒーロー」と呼ばれるようになった。
そんな大層な称号で呼んでもらえるほど、大したことをしていないのだがな。

それから何度も何度も怪物を倒していくと、町の奴らは俺のことを「タカパンマン」と呼んでくるようになった。
…決して俺のことを貶しているわけではないようだが、ダサいから是非とも止めて欲しい。


社交的な性格ではない方なのだが、俺は意外と苦労せずに毎日を過ごしている。

……のだが、そんな俺には今悩みがある。



…それは、




「おい、高瀬!」


「………仁湖。」



そう。今俺の目の前に居る少年、「仁湖」のことでだ。



「今日こそ母さんの敵を取ってやるからな!」


「……仁湖、」


察しの通り、俺が町を襲ってきた仁湖の母親を退治してしまったことで、仁湖は俺を恨んでいるのだ。

…本当ならこんなことで悩んだりしない。
しないのだが、俺は仁湖に恋愛感情を抱いているのだ。


可愛らしい獣耳を付けて、泣きながら俺を上目遣いで見上げて来る。
…そんな加護欲が芽生えてしまうほどの愛らしい姿に、柄じゃねぇが俺は仁湖に惚れてしまったのだ。



「敵を絶対に取ってやる。」


「…仁湖、すまない。」


「う、煩い!謝罪なんかいらない。」


「……俺はどうすればいい?仁湖は、どうしたら俺を許してくれる?」


俺の一方的な恋は不毛過ぎる。
決して俺の望み通りの展開にはならないのだろう。
…目の前の好きな子一人救ってやれなくて、何がヒーローだよ。仁湖からすると、俺は完全な悪者だな…。



「俺はどうすればいい?」


「………せ、責任、…取れよ。」


「責任…?」


仁湖は敵である俺に何を求めているのだろうか?…全く検討が付かない。
仁湖がもし「自害しろ」と言うのであれば、俺は首を横に振るつもりはない。仁湖の言う通りに事を進めるつもりだ。



「どんな責任を取れば、仁湖は許してくれる?」


「………だから、その…、」


「…………?」


「…だ、だから、…俺はずっと母さんが居なくて寂しかったんだ。」


「…あぁ、すまない。」


「…父さんも、俺が小さいときに死んでしまって、…俺、ずっと一人で暮らして来た…。」


「………仁湖、」


「だ、…だから、…責任取れよな…っ。」


「……どうすればいいんだ?」


「……さ、察しろよ馬鹿…っ!だ、から、…これからは俺が寂しくならないように、…お前が一生責任取れって、ずっと言ってるんだよ…!」


顔を真っ赤に染め上げて、羞恥からなのか下唇を噛み、俯く姿はこれまた加護欲を掻き立てられるのだが、…今はそれどころではない。

…今、仁湖は何て言った?



「……仁湖、それは俺に言っているのか?」


「…い、今俺の近くに居るのは、高瀬だけだろ?」


「……母親の敵、取りたかったんじゃねぇのかよ?」


「う、煩い!…それは言葉のあやで…、き、気にするな…っ」


「俺で、…いいのか?」


「……た、高瀬だから言っているんだ。拒否する権利なんて、高瀬にはないからな。」


「拒否なんて、…俺がすると思うか?」


願ったり叶ったりだ。
まるで夢の様な展開。…ずっと好きだった仁湖と傍に居られるきっかけが、俺に出来たんだ。俺が拒否なんてするわけねぇだろうが。



「俺の一生を仁湖に捧げる…。」


「……う、うん。」




俺は一生を捧げて責任を取る。


だから今度は、


仁湖が俺の不毛と思われた恋の責任を取ってくれ。





END


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