一万円・番外 | ナノ

 幸せの葵鳥



幸せの





※注意
題名は誤字ではありません(笑)仕様でございます。
・某有名アニメ、ア○パンマ○のパロ話です。
・擬人化(?)の姿です。(お好きな姿をご想像くださいませ)
ドキ○ちゃん役:仁湖
 ホラー○ン役:高瀬
 食パ○マン役:??



以上の内容が苦手な方、嫌悪感がある方は、ここでお戻りされた方がよろしいかと思います。
見てからの苦情・批判発言は一切受付けておりません。

大丈夫な方、以上の内容が守れる方のみ、スクロールお願いします。










「やっぱ格好良くて素敵だなぁ…。」


中村仁湖ははいつものように憧れの人を壁の陰に隠れて、覗き見ていた。格好良くて、そして綺麗で正義感もあり、皆の人気者。

…その人こそが仁湖の片思いの人なのだ。

しかし仁湖とその人とは全然不釣合い。
全てが完璧なあの人と違って、仁湖は何処を取っても平凡以下。所謂報われない片思いをしているのだ。



「…またあいつを見てるのか?」


「あ、高瀬。おはよう。」


「……ほどほどにしとけ。」


「う、煩いなぁ。これは俺の日課なの。毎日あの人を見ないと、落ち着かないんだよ。」


今仁湖に声を掛けたのは、高瀬葵。
仁湖の同僚だ。
何かと仁湖の世話を焼き、常に仁湖の傍に居る存在なのだ。



「高瀬だって好きな人くらい居るんじゃないか?」


「………あぁ。俺も一方的な片思いだけどな…。」


「それなら、高瀬だって分かるだろ?やっぱり好きな人はずっと見ていたいものだろ?」


「…そうだな。」


「……だろ?だったら邪魔するな。」


「……………。」


やっと口煩い高瀬が静かになったことで、仁湖は再び目当ての人を陰から覗き見る。
…しかし、高瀬と言い争いをしていたことで、どうやら見失ってしまったようだ。
仁湖の片思いの相手は、もうそこには居ない。



「…さ、最悪だ…」


「俺としては最高。」


仁湖はガクンと肩を落とす。
それに比べて高瀬は、仁湖とは正反対に何処か嬉しそうだ。



「…これも全部高瀬の所為だからな。」


「悪かった。」


「…っ、全然反省してるように見えない。」


「あぁ、反省なんかしてねぇからな。」


「こ、この野郎…っ」


反省のはの字も見せない高瀬に、仁湖は怒る。
しかし仁湖の怒りなど全く怖くない高瀬は、仁湖のコロコロと変わる表情を楽しそうに見つめていた。

そんな高瀬の楽しそうな表情に気が付いた仁湖は、これ以上、口で言っても無駄だと分かり、椅子にドスンと座って溜息を吐く。



「…はぁ、ついてない。見失うなっちゃうし、高瀬は俺に意地悪だし、……何処かに幸せが転がってないかなぁ…。」


「…幸せなんて、そこら辺に転がってるもんだろ。」


「何処がだよ。…その証拠に俺は全然幸せじゃない。」


「ただ仁湖が気付いてねぇだけなんだよ。」


「……俺が気付いてないだけ?」


「あぁ。」


急に小難しい話をし出した高瀬に、仁湖は首を横に傾げた。



「……本当にさ、幸せがそこら辺に転がってるならさ、俺にもいつか恋人が出来るかな?」


「……仁湖は良い子だからな。」


「その話でいくと、俺の運命の相手も近くに居るのか?」


「………それは、」


「なぁ、どうなんだ?」


ビー玉のようなまん丸の瞳に見つめられて、高瀬はたじろぐ。



「…そ、それは…、」


「それは?」


「だから、…その、」


高瀬は仁湖から視線を外すと、次第に熱くなってきた頬を仁湖から見えないように、口元を覆うように大きな手の平で隠す。



「……だ、から、」


「…高瀬?」


「……、いつか、見つかるんじゃねぇか?」


苦し紛れに、どちらとも取れるような曖昧な答を述べた高瀬に、仁湖は盛大に溜息を吐く。



……そして、





「…折角チャンスあげたのに…。


俺のことが好きなら好きって早く言え、馬鹿高瀬…。」



そう言って、仁湖は少し赤くなってしまった頬を高瀬に見られる前に、それだけ言うとその場から逃げるように立ち去って行った。










「…………気付いてたのかよ、


あの小悪魔………っ。」



そして一人その場に取り残されてしまった高瀬は、そう呟くと、立ち去って行った思い人に、改めてきちんと思いを告げるべく後を追いかけたのだった…。








「幸せの青い鳥」。

気付いていないだけで幸せというのは、そこら辺に転がっている。


ただそれに気付くか気付かないかはあなたの行動次第。





END


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