▼ 幸せの葵鳥
幸せの葵鳥
※注意
・題名は誤字ではありません(笑)仕様でございます。
・某有名アニメ、ア○パンマ○のパロ話です。
・擬人化(?)の姿です。(お好きな姿をご想像くださいませ)
・ドキ○ちゃん役:仁湖
ホラー○ン役:高瀬
食パ○マン役:??
以上の内容が苦手な方、嫌悪感がある方は、ここでお戻りされた方がよろしいかと思います。
見てからの苦情・批判発言は一切受付けておりません。
大丈夫な方、以上の内容が守れる方のみ、スクロールお願いします。「やっぱ格好良くて素敵だなぁ…。」
中村仁湖ははいつものように憧れの人を壁の陰に隠れて、覗き見ていた。格好良くて、そして綺麗で正義感もあり、皆の人気者。
…その人こそが仁湖の片思いの人なのだ。
しかし仁湖とその人とは全然不釣合い。
全てが完璧なあの人と違って、仁湖は何処を取っても平凡以下。所謂報われない片思いをしているのだ。
「…またあいつを見てるのか?」
「あ、高瀬。おはよう。」
「……ほどほどにしとけ。」
「う、煩いなぁ。これは俺の日課なの。毎日あの人を見ないと、落ち着かないんだよ。」
今仁湖に声を掛けたのは、高瀬葵。
仁湖の同僚だ。
何かと仁湖の世話を焼き、常に仁湖の傍に居る存在なのだ。
「高瀬だって好きな人くらい居るんじゃないか?」
「………あぁ。俺も一方的な片思いだけどな…。」
「それなら、高瀬だって分かるだろ?やっぱり好きな人はずっと見ていたいものだろ?」
「…そうだな。」
「……だろ?だったら邪魔するな。」
「……………。」
やっと口煩い高瀬が静かになったことで、仁湖は再び目当ての人を陰から覗き見る。
…しかし、高瀬と言い争いをしていたことで、どうやら見失ってしまったようだ。
仁湖の片思いの相手は、もうそこには居ない。
「…さ、最悪だ…」
「俺としては最高。」
仁湖はガクンと肩を落とす。
それに比べて高瀬は、仁湖とは正反対に何処か嬉しそうだ。
「…これも全部高瀬の所為だからな。」
「悪かった。」
「…っ、全然反省してるように見えない。」
「あぁ、反省なんかしてねぇからな。」
「こ、この野郎…っ」
反省のはの字も見せない高瀬に、仁湖は怒る。
しかし仁湖の怒りなど全く怖くない高瀬は、仁湖のコロコロと変わる表情を楽しそうに見つめていた。
そんな高瀬の楽しそうな表情に気が付いた仁湖は、これ以上、口で言っても無駄だと分かり、椅子にドスンと座って溜息を吐く。
「…はぁ、ついてない。見失うなっちゃうし、高瀬は俺に意地悪だし、……何処かに幸せが転がってないかなぁ…。」
「…幸せなんて、そこら辺に転がってるもんだろ。」
「何処がだよ。…その証拠に俺は全然幸せじゃない。」
「ただ仁湖が気付いてねぇだけなんだよ。」
「……俺が気付いてないだけ?」
「あぁ。」
急に小難しい話をし出した高瀬に、仁湖は首を横に傾げた。
「……本当にさ、幸せがそこら辺に転がってるならさ、俺にもいつか恋人が出来るかな?」
「……仁湖は良い子だからな。」
「その話でいくと、俺の運命の相手も近くに居るのか?」
「………それは、」
「なぁ、どうなんだ?」
ビー玉のようなまん丸の瞳に見つめられて、高瀬はたじろぐ。
「…そ、それは…、」
「それは?」
「だから、…その、」
高瀬は仁湖から視線を外すと、次第に熱くなってきた頬を仁湖から見えないように、口元を覆うように大きな手の平で隠す。
「……だ、から、」
「…高瀬?」
「……、いつか、見つかるんじゃねぇか?」
苦し紛れに、どちらとも取れるような曖昧な答を述べた高瀬に、仁湖は盛大に溜息を吐く。
……そして、
「…折角チャンスあげたのに…。
俺のことが好きなら好きって早く言え、馬鹿高瀬…。」
そう言って、仁湖は少し赤くなってしまった頬を高瀬に見られる前に、それだけ言うとその場から逃げるように立ち去って行った。
「…………気付いてたのかよ、
あの小悪魔………っ。」
そして一人その場に取り残されてしまった高瀬は、そう呟くと、立ち去って行った思い人に、改めてきちんと思いを告げるべく後を追いかけたのだった…。
「幸せの青い鳥」。
気付いていないだけで幸せというのは、そこら辺に転がっている。
ただそれに気付くか気付かないかはあなたの行動次第。END
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