一万円・番外 | ナノ

 仁湖パンマン




それゆけ!仁湖パンマン





※注意
・某有名アニメ、ア○パンマ○のパロ話です。
・アンパ○マン役→仁湖、バイ○ンマン役→高瀬
・擬人化(?)の姿です。(お好きな姿をご想像くださいませ)

以上の内容が苦手な方、嫌悪感がある方は、ここでお戻りされた方がよろしいかと思います。
見てからの苦情・批判発言は一切受付けておりません。

大丈夫な方、以上の内容が守れる方のみ、スクロールお願いします。







俺の名前は仁湖パンマン。
町の平和を守るため、毎日パトロールをするのが俺の日課だ。そんな俺を町の皆は、「仁湖」と呼んで優しく接してくれる。
皆の期待に添えられるように、毎日悪者を退治しているのだ。



今日もいつもと同じこの時間来るはずだ。




「仁湖。」




ほらな。俺の言う通り。



「来たな、高瀬!」


俺の目の前に現れたのは、「高瀬葵」。
町の平和を守る俺にとっての、天敵だ。
…まぁ、天敵と言っても高瀬はそんなに悪い奴ではないはずだ。
時々変なことを言ったり、予測不能な行動を取るけれども、根っからの悪い奴ではないと思う。
だからこそ、俺は高瀬を更生させて、これからは高瀬と共に町の平和を守って行きたいと常日頃思っている。



「今日は何をしに来たんだ?皆には指一本触れさせないからな。」


「仁湖、落ち着け。」


「お、…落ち着いていられるか。お前みたいな、悪者が目の前に居て、冷静で居られるわけないだろ。」


町の皆の平和は俺が守るんだ。
例え隕石であろうと、高瀬であろうと、俺が町の平和を守り続けるんだ。



「仁湖、俺は町や町民に用事はない。」


「う、嘘を吐くなよ!」


「嘘じゃない。…俺は仁湖に用事があるんだ。」


「お、…俺?」


「あぁ。」



何なんだ?
町を破壊したり、町に住んでいる皆を傷付けたりするわけではないのか?

…いや、待てよ。何で俺は高瀬の言葉に素直に信用しているんだ?こいつは悪者なんだ。悪者なんかに耳を傾けちゃ駄目だ。

きっとこれは俺を油断させる作戦なんだな。
…ふふふ、でも鋭い俺はそう騙されないからな。



「その手には乗るか。」


「仁湖、だから話を聞くんだ。」


「俺を騙そうたって、そうはいかないからな。」


「だから俺は仁湖のことが…、」


「…あ、もしかして俺のことが好きだから構って欲しくて悪いことをしているのか?」


なーんてね。冗談にしてもきつ過ぎるよな。俺たち男同士だし、敵同士だし。
そんなことあるわけ……、



「……って、あれ?」



「…………っ、」


「…高瀬、顔真っ赤だけど…。大丈夫?」



高瀬は一体どうしたのだろうか?
先程までは普通だったのに、今では熱が出てしまったかのような赤い顔をしている。



「高瀬?」


「………ち、…違ぇ、」


「……へ?」


「……、べ、別に好きとか、そんなんじゃねぇし……。」


「…え?うん。分かってるよ、それくらい。」


何だよ、冗談が通じない奴だな。
せめてそこは笑うくらいしてくれないと、俺がすべったみたいじゃんか。



「…好きとか、そんなんじゃ…っ、」


「高瀬?おい、大丈夫か?」


顔の次は耳や首下まで赤くなり出した高瀬に、俺はいくら敵同士だといえども、心配になってきて、熱を測ろうと高瀬の額に自分の額を重ね合わせた。



「…………っ?!」


「…わ、…熱い…、高瀬、大丈夫じゃないよ、これ。………って、あれ?何かさっきよりも熱くなってきてるような…、」


「…ば、馬鹿野郎、急に近づくんじゃねぇよ…っ」


「な、何だよ、心配してやっているのにその言い草は!」


「………っ、…くそ……っ」


そして高瀬は「覚えてろ、次会うときは必ず俺の物にしてやる。」と、いかにも悪者がいいそうな台詞を言うと、顔を真っ赤にしたまま、そのまま立ち去って行った。



「……何だったんだ?」



何はともあれ、俺は今日も町の平和を守ったんだ。
明日も今日のように、高瀬だってやっつけてやる。


…こうして俺の一日は終わるのであった。





仁湖のことを好き過ぎて素直になれないまま、仁湖に悪者と勘違いされているヘタレな高瀬。
そして高瀬の思いなど全く気付かず、むしろ知らぬ内に高瀬の気持ちを手の平で転がしている町のヒーロー仁湖。





END



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