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「ひぃっ、ぁああぁ゛?!」
滝本龍は腸内に水が入りやすくするために、挿し込んでいた二本の指を使って、狭い穴を拡張するかのように左右に開く。
そのため腸内には嫌という程の湯が入り込んできた。
「あ、…ぁ゛、ひぐ…っ、」
湯が腸内を壊す勢いで、どんどん中に注ぎ込まれる。
あまりの苦しさに俺はパニック状態になってしまって、悲鳴のような声を出しながら、握り拳を作って床を何度も叩く。
…そうしなければ、本当におかしくなりそうで…、本当に自分が壊れてしまうと思ったから。
「あ、…ひぃ、ぃぁ…ぁぐ…、」
「…止めろ、怪我するだろ。」
「んぐ、ひぅ…ぁぁあァ…」
するとすかさず滝本龍は、傷み始めた俺の拳をやんわりと握る。
…そうするならこの水圧をどうにかしてくれ、そう言いたいのだが、口からは涎と悲鳴のような喘ぎ声しか出ない。
「ぁ、…っ、ひぅ、ンぁ」
床を叩くことを制止され、俺は痛みで水圧を紛らわすことが出来なくなった。
ゴプゴプ…と、止め処なく注がれるお湯。まるで屋上で滝本龍に中出しをされたときのようだ。
…しかし先程の中出しとは比べ物にならない。
あの時はこんな苦しみだけじゃなかった…。
中出しされて、改めて男に犯されたことへの屈辱と悲しみを再認識されたのだが、…それ以上に注がれる精液に感じていた自分が居た。
…しかしこれは嫌だ。駄目だ。
本当に壊れてしまいそうなくらい苦しい。
終わりが見えない分、余計に怖くなってくる。
「っ、ひぁ…ァ、ぐ、…ぅ」
滝本龍は俺の腸内にお湯を注いで、穴を左右に広げるだけでは飽き足らず、挿し込んでいる指を動かし刺激を与えてくる。
第二関節まで指を曲げて、爪と指の腹を使って腸壁を弄ってきたり、抜き挿しを始めてきたのだ。
「あ、…ぁ、ンっ、んぁあ…ァ」
「……甘い声…、」
「ひぁ、ンぐ、…ぁ…ぁあっ」
「そんなに気持ちいいか?」
「………ふ…、っ」
“淫乱”、“ドM”だと罵られているような気分だ。
……いや滝本龍は遠回しにそう言っているに違いない。
確かに自分でも声が甘くなっているのは分かる。
それはきっと滝本龍の巧みな指使いの所為だろう。
悔しい…。
恥ずかしい…。
陵辱されているというのに、感じてしまっている自分が腹立たしい。
「…ァ、ぁ、んぁあ…ぁ」
「……可愛いな、お前…」
「あ、ンっ、ひぁ…ぁあん」
背中を上から下へと舐められ、チュッとわざとらしい音を立てて滝本龍は、何度も何度も俺の背にキスの嵐を降らしてくる。
まるで恋人同士のような甘い行動に、羞恥で頬が熱くなる。俺は極力声が出ないように、下唇を噛み声を抑える。
…しかしどんなに声を我慢していても、水圧は弱くなる気配すら見せないし、滝本龍のいやらしい指使いは止まることはない。
「……っ、ン…ぁ」
「…声を聞かせろ。
それに血が出てる、止めろ…。」
「………ン、…ふァ…」
するとやはり滝本龍は、唇を噛んで声を抑えることを止めさせる。
俺の腸内に挿し込んでいた指を引き抜くと、その手でシャワーヘッドを握り直し、もう片方の手を俺の口内に挿し込んできた。
「……ン、…っ、ァ…」
舌を絡み取るように、俺の口内でいやらしく動く滝本龍の指。
腸内に挿し込まれていた指が抜かれたお陰で、お湯があまり入ってこなくなったことは喜ばしい。
…しかし今度は勃ち上がったペニスと睾丸に水圧が掛かり、気持ちいいやら苦しいやら恥ずかしいやら…。
だからおもわず口の中に入っていた滝本の指を噛んでしまった。
「………っ、」
手加減など出来ずにおもいきり噛んでしまった所為で、滝本龍が低く唸るような声を出す。
“ざまぁみろ”。
痛みに唸る滝本龍に申し訳ないと思うよりも、少し清々しい気分になる俺。
「……いいぜ、好きなだけ噛んでろ。」
「…っ、んぁあ…ァ?!」
「その代わり、
…いい声聞かせろよ。」
しかしやはりサディストで鬼畜な滝本龍の方が一枚上手だったようだ。
遠くから当てられていたお湯だったのだが、今では睾丸にシャワーヘッドがピトリと当たっているほど、近距離で水圧を掛けられ始めたのだ。
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