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「…そ、それって、…っ、ひぁっ?!」
滝本龍の真意を聞こうと思い口を開けば、腸内に入れられた指の数が増えて、更に激しく掻き回される。
…そうすれば嫌でも声が上ずってしまい、思い通りに言葉に出来なくなる。
「…もう、黙ってろ。」
「ぁ、ゃ…っ、ひぁ…ァ」
まるで俺の言葉を遮るような、荒々しい滝本の指使い。二本だった指は三本に増えて、より一層激しい刺激に俺はただみっともない声を上げることしか出来なくなった。
根元まで挿し込んでいた指を、指先まで引き抜いてくれたと思いきや、ズチュ…と卑猥な音を立てて、再び根元まで挿し込んでくる。
それを何度も何度も繰り返されて、激しく抜き挿しされれば、限界はすぐそこだ…。
「あ、…ン、っ、ひぅ、…ゃめ…止めてっ」
男にお尻の穴を弄られて、射精するなんて絶対に嫌だ。
…しかし滝本龍が俺の制止の言葉など聞いてくれるわけがない。その証拠に、滝本龍に会ってから俺の言葉が受け入れられたことなど一度もないのだ。
「ん、…も、離せ、…抜けよ…ぅ」
「…お前が俺の指を離さないんだ。」
「そ、んなこと…ンっ、ひぅ…、」
「分かるだろ?…美味そうに俺の指銜えやがって、」
…堪んねぇ、と耳たぶを噛まれながら、低く熱っぽい声で囁かれれば、おもわず身体も震えてしまう。
「…んンっ」
「……ったく、可愛い反応しやがって、」
パンッ、と尻を叩かれたかと思えば、今度は俺の尻タブを左右に開き、滝本龍の三本もの指を銜えている穴をじっくり見られる。
「……ひぁ…ァ」
羞恥でどうにかなってしまいそうだ…。
「…見るな、ァ、ン、…ゃめろっ」
羞恥のあまり、三本の指を銜え込んでいる穴が、ヒクヒクと痙攣しているのが自分でも分かる。
そうすれば視覚から、更に滝本龍を興奮させてしまったのか、再びパンパンッと尻を叩かれ、挿入している指を激しく動かされてしまう。
「は、ずかし…っ、も、…ゃめろよ。見るな、離せ…ぇ」
「……そう言われると、余計見たくなるだろ。」
「ン、…っ、お願いだから…ぁ」
…もう駄目だ。
自分で何を口走っているのかも分からない。
しかし俺の言動が、かえって滝本龍を煽ってしまっていることは、なんとなく分かる。
これ以上滝本を煽らないように、俺は下唇を噛み締めて、言葉も、…そして喘ぎ声も出さないように耐える。
…そうすれば、それを見た滝本龍は何処か楽しそうに唇を歪めて笑う。
……もうその時は己の行動を、後悔しても遅かった。
「…俺が注いだ精液、
奥まで入り込んで指では掻き出せねぇな。」
口角を上げて鬼畜に笑みながら、滝本龍はシャワーホースを手に取った。
「洗い流せば大丈夫だよな?」
「………っ、」
「……気、失うなよ?」
獣というよりは理性や知性を持っている。
…今の滝本を例えるならば、“捕食者”。
弱者な俺は滝本からすれば、ただの“被食者”でしかない。
俺は目の前の陵辱者から逃げようと、這い蹲って逃げ出そうと試みる。
……しかしそれよりも先に、熱く勢いのある水圧を宛がわれ、ただただ泣き喘ぐしか出来なくなった…。
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