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「あ、…ン、ひぁ…ァ、」
今回は俺の制服などを手に取って自慰行為をしていたわけではないが、それ以外は前回と同じ状況だ。
…唯一違う所があるとしたら、“俺があいつのことを好きだ”という所だろう。
「あ、いざきぃ、…ん、っ、好き…ぃ…、」
「………っ、」
「ゃ、ぁ、藍崎…、ぁあ…っ」
喘ぎと吐息の混じったなんとも艶のある声で名前を呼ばれれば、堪ったもんじゃねぇ。
…しかしあいつは声を抑えているつもりなのかもしれねぇが、廊下にまで声が漏れてるじゃねぇか…。
あいつのこんな声が俺以外の奴等に耳に入ることは絶対に嫌だ。
……だが、しかし…止めるのは何故だか惜しいと思ってしまう俺はおかしいのだろうか…?
誰も居ない教室で一人、俺の机の上で下半身を露出しながら、緑間は俺の名前を呼びながらチンポをしこっている。
……止めるのは勿体ねぇ。
そう思い、俺は教室の中に入って止めることを止めて、緑間に気付かれないように扉に寄りかかりながら、たった一枚の扉の向こうでオナっている緑間の声を堪能し続けた。
「…ん、…ァ、も…ゃ、」
「…………」
「、ひぁあァ、ン…ぁ、気持ちいいよぉ…、」
「…………、」
声を堪能しようとだけ思っていたのに、やはりこんなエロい緑間の声、しかも俺のことを思い俺の名前を呼びながら自慰行為をしている緑間を前に、欲が抑えきれるはずがなかった。
痛いほどに膨らみ勃ち上がった、己のペニス。
「あいざき…、はァ、…ンっ、」
「……、クソ……っ、」
俺は耐え切れず、着ていた学校指定のジャージのズボンを少しだけ下げて、下着の中から痛いほど張り詰めていたペニスを取り出した。
今の俺には人が来るかもしれないという考えなどなく、ただ一枚の扉の向こうに居る緑間のことしか考えられなくなった。
「………は、」
手の平で根元から先端まで、何度も何度も上下に扱く。そうすれば我慢汁が溢れ出し、廊下に一粒落ちる。…俺はその光景を見ながらも、頭の中は俺の下で喘ぎ泣く緑間の姿を想像していた。
俺の匂いだけで絶頂に達している緑間。
もう無理だと俺に泣きながら懇願して掠れた声で喘ぐ緑間。
……そういえばここ最近は、こいつの事を思いながら自慰行為をしていたような気がする。
“それは”俺にとってあくまで当然のことだったので全然不思議ではなかったが、昔の俺からすると考え難いことだろう。
「ひ…ぃ、ぁあ…ァ、」
「……っ、緑間……、」
「藍崎、…あぁあン、好きぃ…っ」
「は、……、クソ野郎…、」
…そういうことは俺の目の前で言いやがれ。
そして緑間は射精をしたのだろう。
一際高く大きい声を出し、息を荒げていた。
俺もそれを追うように、脳内であいつの奥深くに植え付けた気分で射精をした。
「……………」
手の平には吐き出した己の精液がべったりと付着していた。
俺はその精液を洗い流すことなく、一人処理をしているのだろう緑間が居る教室の扉を開けた。
「………っ?!」
すると声にならないほど驚き焦っている緑間の表情。
そんな表情さえも可愛いと思ってしまう俺は、自分が思っている以上に緑間のことが好きなのだろう。
……そんなことは絶対本人には言わねぇが…。
「…ぁ、…藍崎、…な…んで…?」
「……………」
「あ、…ご、ごめんなさい、…あの、お、俺…、」
きっと俺に怒られると思って怯えているのだろう。
確かに初めてこの光景を見たときは、こいつを殺そうと思った。
……しかしそれは昔のことだ。
俺は泣きそうになっている緑間の頬に手を添えた。
…もちろん俺の精液が付着している方の手だ。
「…え?…ぁ、…っ、…」
緑間の頬に塗り込むように手を動かす。
俺の吐き出した汚く青臭い精液がこいつに付着する様を見て、興奮してきた。
……しかしそれは俺だけではないらしい。
「…え、ぁ、…藍崎、…の、」
「………」
「あ、…ゃ、…ダメ、こんなことされたら…っ、」
頬に付着したのが、“ただの”粘ついた液体ではなく、“俺の精液”だということに青臭い臭いで気が付いたのだろう。
たったそれだけなのに、目の前の緑間は異常な程頬を赤く染めた後、勢い良く射精した。
「…はぁあ…ァっ」
………本当にこいつは堪らねぇな。
頬に精液を塗り込まれて怒るどころか、興奮してそれだけで射精した緑間をどう苛めてやろうかと俺は思った。
……いやそれよりも、先にこいつに言っておきたいことがある。
【
俺の名前を呼びながら一人で処理するくらいなら、今度から俺に言え】
…そう言えば緑間は頬を赤らめたまま、戸惑いながらもただ一度だけコクンと頷いたのだった…。
END
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