短編集 | ナノ

 双曲線



藍崎視点






緑間からの熱烈な告白を受けてから、俺はほぼ休まず学校に登校している。


…それは何故かというと、


俺が居ないときに、あいつが他の奴と喋っていると思うと、すげぇむかつくから。


自分でも歪んだ愛情を緑間に向けていると思う。
だけど俺をこんな風にさせたのは、間違いなく“緑間”だ。
……だから俺は悪くない。



…悪いのは、


俺を本気にさせたあいつだ…。




しかし今日はというと、糞親父の会社に行かなくてはいけなくて、遅れてしまった。
今の時間だと、四限目の途中といったところか…。
…というと、体育か。

面倒だな。
だが出ないわけにはいかない。
きっと緑間はいつものように無邪気に足を出しているはずだ。
…そんな姿は俺だけ見てればいいんだよ。


そして俺は遅れて、体育の授業に出席した。
辺りを見回して、緑間を探す。



「………?」


…しかし、緑間は見つからない。
いや、見つからないというよりも、この場に緑間が居ないのだ。

俺は緑間の居ない事実に若干焦りながら、そこら辺に居た奴に、緑間はどうしたのかと訊ねた。
今日は学校を休んでいるのか、それとも来ている上で体育の授業に出ていないのか、…と。
するとそいつは怯えながら震える声で、「学校には来ている」と「先程までは体育の授業にも出ていた」と教えてくれた。


……俺はそれを訊いた瞬間、すぐに緑間の居場所が分かった。




きっと、


……あいつは。






「……ン、…っ、あいざき…、」


……居た。
やはり教室に居た。

どうやら俺が体育館に行くのと、緑間が教室に戻ったときに擦れ違ってしまったようだ。

俺は緑間に気付かれないように、コソリとドアを少し開けて中の様子を覗く。



「ぁ、…ン、ひぁあ…ぁ」



するとそこには、以前のように一人でオナっている緑間が居た。
俺は脱ぎ捨てた制服を後ろのロッカーに直していたため、緑間はまだ俺が学校に来ていないと思っているのだ。

緑間は俺の机の上に座りながら、下半身を露出させてペニスを扱いていた。





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