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「か、勝手な解釈するな…っ」
思わず真田の表情に見惚れてしまったが、今の言葉はきちんと訂正しないと。
…だ、誰が嫉妬なんかするかよ…っ。
「……別に、俺は…お前の事なんて、何とも……、」
“思っていない”…と言いたい所なのだが、何故だか先程の綺麗な女の人の顔がチラついてしまい、モヤモヤする。
「…な、なぁ…?」
「何だ?」
「……さっきの女の人、誰?」
何で気になってしまうのだろうか?
別にあの女の人が真田とどういう関係だろうと、俺には関係ないのに。
…だけど聞かずには居られない。
「……訊きてぇか?」
「………っ、」
真田の言葉に思わず息を呑んでいると、真田は口角を上げて、俺の頭の上にポンっと手を置いた。
「……姉貴だ。」
「…え?」
「ただの姉だ。」
「……そ、そうなんだ。」
姉……。
先程の人が真田の彼女でもセフレでもないことに、安堵のため息を吐く。
…あ、あれ?
何で、“安堵のため息”?
そういえば先程のモヤモヤがなくなったような……、
「…認めろよ。」
「な、何を…?」
真田の言葉の続きを聞いたら後戻り出来ないような気がする。…だけど訊かずにはいられない。
「……俺を、
好きだってこと…。」
……あぁ、やっぱり。
もう、後戻りは出来ないや……。
******
「ン、っ、…ぁァ」
胡坐を掻いた真田の膝の上に乗り、ドロドロに解された尻の穴に、真田の凶器の様なペニスが入り込んでいる。
最初は獣の様な、余裕のない乱暴な後背位での突き上げ。そして次は顔中にキスの嵐が降ってきた、正常位。
…そして今に至る。
対面座位の状態で、下から激しく突き上げられている。
「ンぁあァ、ひぃ…ァ」
俺は既に四回も射精している。
…真田だって二回もイっているくせに、萎える気配すら見せないペニスで、俺の中を掻き回す。
「ぁァ、んぁっ、ひぁ…ン」
真田のことが好きなんだと自覚した今では、この行為が凄く恥ずかしくて気持ちが良い。
…身体が真田を求めているのが分かる。
激しくピストンされながら、もっと真田を感じたいと思った俺は、意識的に真田のペニスを締め付ける。
「………く…っ、」
「ぁ、…ン、真田…ァ」
「…てめぇ、煽りやがって…っ」
そうすれば真田の獣の様な低い唸り声が、耳元で聞こえる。
俺で感じている事が分かり、凄く嬉しい。
「…ン、さ…なだァ、…んゃァ」
「……煽ったのはてめぇだ。腹膨れるまで、注いでやるよ。」
「ん、…っ、ァ、ゃぁ…」
噛み付くような激しい口付けをした後、真田は口角を上げて鬼畜な笑顔を浮かべてそう言った。
反射的に逃げようとすれば、腰を掴まれ、下から一際激しく突かれる。
「ンぁぁあァ!」
「……はっ、
…俺から逃げられると思うな。」
「…ん、さなだ…ァ」
「手放す気はねぇから…。」
昨日までだったら、死刑宣告の様な真田の言葉。
……だけど自覚してしまった今なら、何でも情熱的なプロポーズのように聞こえてしまう。
「手放す気はない」と言った真田の言葉に答えるように、俺は真田の首に腕を回し抱き付いた。
貴方の罪は、
俺を夢中にさせたこと。END
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