▼ 4(真田視点)
「…ン、…ふ、ぁ…」
達した余韻に浸って、息を乱しながらか細く喘いでいる男のベルトに手を掛ける。そしてカチャカチャと金属音を立ててベルトを外して、ズボンのホックを外す。
「や、…め、ろ、…ン、あ…、ひ…っ」
「黙ってろ。」
「は、なせよ…っ、も、気が済んだ、だろ…?」
一度精を放って幾分か正気を取り戻したのか、男は俺の手を掴んで、ズボンを脱がされるのを阻止している。
「…助けて、くれたのは、…感謝してる。…ン、だが、これは、やり過ぎだ、ろ?」
「………本当に、てめぇは何も分かっちゃいねぇな。」
そうやって抵抗するのも、涙目で睨んで来るのも、舌足らずで反論してくるのも、…全部逆効果だ。
全て俺を煽る術となっていることに、まだ気付いていない。
「…ヤり殺されたくなければ、そのまま大人しくしていろ。」
「な…?!おま、え、…何、言って…?!」
「俺はな、抵抗されればされるほど、燃える性質でな。」
口角を上げてニヤリと笑えば、男は赤くなっている頬を更に赤く染め上げて、急に暴れ出した。
「や、め、…俺は、そんな趣味ねぇ、…ンっ?!ひぁ、…ぁぁあン」
俺は抵抗する男のチンポを直に握り締めた。
そうすれば男は悲鳴に近い甲高い声で涎を垂らして喘ぐ。
「…馬鹿な奴だな。
…何だ?それとも苛められたくて業と抵抗するフリをしてんのか?」
「ち、…が、ァ、あっ、…ンく、ひぁ…ァう」
「もういい、喋んな。」
「ン、…っ、…ンふ…、んっ」
そして俺は小煩い口を塞ぐため、口端から涎が垂れている男の唇に口付ける。
今にも零れ落ちそうな涎を舌で舐め取った後、口内を舌で掻き回す。
そうすれば男の目尻に溜っていた大粒の涙が頬を伝う。
……本当に堪んねぇな。
何故だか分からねぇが、こいつの泣き顔は腰にクる。
「ン、…は、…ァ、ふ、ぁ」
俺はもっとこいつの泣き顔が見たくて、更に深いキスを仕掛けた。
舌を絡ませ、そして歯列を舐める。その後は上顎を舐めて、俺の唾液をこいつに飲ませるかのように分け与える。
しかし男は飲み込み切れないのか、再びどちらのか区別が付かない唾液を口端から零すのだ。
「……下手糞。」
「ン、…は、ァ、…う、るさ…、」
容姿に似合わなくキスが下手な男を喉で笑えば、男は息を乱したまま反論してきた。
「こんなもんで根を上げるなよ。」
「……ン、ぁ、も、…いいだろ、…はなせ、よ。」
「阿呆か。これからが本番だ。」
「…な、に言って…?」
男は俺がこんな幼稚なキスで本当に満足していると思っているようだ。
……まだまだ足りねぇよ。俺を煽ったのはお前だぜ?
ちゃんと責任取れよな。
「しゃぶれ。」
そうストレートに告げれば男の呆けた表情が一瞬にして焦りの表情に変わった。
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