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「…い、…やだ、」
三嶋に頭を押さえつけられて布越しに真田のペニスが俺の顔に当たる。
「嫌だじゃねぇ!舐めさせてください、だろうが!」
パンッ!
「ひぐ…っ!」
力強く尻を平手打ちをされて、俺は悲鳴を漏らす。
……どうやらこれ以上の抵抗は無駄のようだ。
俺は悔しさに唇を噛んだ後、蚊の鳴くような小さな声で三嶋に言われたように言葉を放つ。
「…な、…めさせて…ください…」
「………………」
もちろん真田の顔は見ずに…。
真田は今どんな顔をしているのかは分からない。…分からないが、きっと先程と同じように仏頂面で俺を見下ろしているのだろう。
この後どうすればいいのか迷っている俺に三嶋は、「自分で真田さんのを取り出せ。」と命令してきた。
……こうして自分から男の服を脱がすのは初めてだ。
三嶋や他の奴等は自分の好きなように突っ込んで掻き回すことしかしない。
俺は無駄に緊張して、手をカタカタとみっともなく震わせながら真田のズボンのチャックを下ろして、下着の中からペニスを取り出す。
「……っ」
真田のものは反応していないが、かなりでかい。
多分この四日間で銜えさせられたペニスとは比べられないほど、大きかった。
俺は真田のペニスの大きさに戸惑う。
脈は浮き上がっており、赤黒い。
皮はずる剥けて亀頭が露になっている。
グロテスクな真田のペニスに驚き戸惑っていると、三嶋が「早く銜えろ。」と命令してくる。
…俺はその言葉に抵抗できるはずがなく、戸惑いがちにペロリと舌を出して先端を舐める。
何度も男のものは銜えたが、やはりこの行為は嫌悪しか生まれない。
なんで男の俺が男のペニスを舐めて銜えないといけないのだろうか…。
…悔しい。
俺はこの怒りをぶちまけることなど出来ずに、ただ大人しくペロペロと真田のペニスを舐めた。
まずは尿道を。
舌先を尖らせてグリグリと中を穿るように舌を動かす。
…早く終わらせて欲しい俺は、不本意ながらこの四日間で学んだことを真田のペニスで実践した。
尿道への愛撫が終わったら次は竿。
唾液を口内で溜めて、ねっとりと舌を這わせる。
上から下へ、下から上へ、舌を動かして早く真田をイかせるために俺は必死に舌を絡ませた。
「……淫乱が…」
上から降ってきた言葉に俺はビクッと身体を震わせる。
チラッと上へ目線をやると、先程のように軽蔑したような真田の鋭い目線。
……その真田の言葉と目線に俺は無性に恥ずかしく、…そして悲しくなった。
早く終わらせたかったからといって、…俺は何を真剣にやっていたのだろうか…?
ここで殴られてでも気絶させられてでも抵抗することは出来た。
なのに何で俺はそれをしなかったのだろうか…?
何でこんな男たちの言いなりになっているのだろうか?
俺は自分が許せなくて、悔しくて、
…声を出さずに泣いた。
大粒の涙が頬を伝う。
ここに来て初めて泣いた。
痛くても苦しくてもこの四日間は意地で泣かなかったのだ…。
ポロポロとだらしなく涙を零していると、片手で支えていた真田のペニスがズクっと質量を増やした。
先程俺が何度も舐めても反応しなかったというのに、…何故だろうか?
しかし今の俺にはそんなこと気にしている暇などなく、俺は手では拭えないほどの涙をポロポロと零した。
「………銜えろ。」
「……え?」
俺は涙を流しながら真田から言われた言葉を整理する。
“銜えろ”?
あれ?
さっきは興味ないって言ってたじゃないか…。
何でいきなり……。
俺は真田の言っている意味がよく分からず、目を白黒させる。
「…聞こえねぇのか…?早く銜えろ。」
真田の大きい手は俺の後頭部を掴んで、グイッと俺の顔を再びペニスへと近づかせた。
「…や、だ、止めろ…っ」
もう俺はこんなことしない。
殴られたって、蹴られたって、自分からするもんか。
……絶対俺はやらない。
俺は唇に押さえつけられる真田のペニスを銜えないために、ギリッと血が出そうなほど唇を噛んで、進入を拒む。
「…いい度胸じゃねぇか。」
そして真田はここに来て初めて笑った。
……笑ったといっても、ニタリとした悪どい笑みだ。
俺はそんな真田の顔を見ながら、恐怖で震えながらも、必死に唇を噛んで進入を拒み続ける。
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