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ガチャン。
いきなり扉が開けられて、全裸…しかも精液塗れの俺はみっともない身体を隠す暇もなく、開けられた扉の方へ視線を向ける。
「………ぁ…」
……そこには今までの四日間で見たこともない人が居た。
背も高く顔もいい。
白銀に染められた髪の毛は、男の顔をより際立たせて居た。
…周りの奴らの様子を見る限り、こいつがここの頭のようだ。
俺の身体を物のように好き勝手に扱っていた男たちは、今来た男の顔を見て、一斉に「お疲れ様です、真田さん。」と頭を下げて挨拶をする。
その男の名前はどうやら真田というらしい。
真田は男たちの挨拶に視線を向けることすらせずに、俺の近くにあるソファに座ろうと近づいてくる。
……そして真田はそこでやっと俺の存在に気付いたらしい。
「……っ」
俺はその鋭い目線で見下ろされ、身を捩る。
隠すものがなく手で汚い身体を隠す。
…真田は精液塗れの俺の身体を見て、どう思ったのだろうか?
少し眉間に皺を寄せた後、真田は副総長の三嶋に話し掛ける。
「……何だ、こいつは…?」
まるで汚いものを見るような目で、俺に冷たい目線を送る。
俺だって好きでこんなことしてるわけじゃない。
真田の目線が恥ずかしくて、…そして悔しくて、俺は床に蹲ったまま唇を噛んだ。
「真田さんも一発どうですか?」
聞こえてきた言葉に、俺は俯いていた顔をバッと上げる。
「……男に興味なんてねぇ。」
真田は本当に興味なんてなさそうで、俺に視線をチラッと向けた後、ソファにドカッと偉そうに座る。
俺は真田の返事にホッと安堵の溜息を吐く。
……しかし安心するのはまだ早かった。
「…ここで続きヤってもいいですか?」
「………好きにしろ。」
どうやら真田は参加しないものの、他の男たちはまだまだヤり足らないらしい。
伸びてきた名も知らない男の腕に、俺は身体を震わせながら抵抗する。
「っ、…止めろ…っ」
しかしこいつらに乱暴に扱われた身体は、自分の思う通りに動かない。
いとも簡単に押さえつけられ、先程中出しされた穴の中に、再び男の肥大したペニスを入れられた。
「…ぐぅ…っ」
……痛い。
何度も何度も掻き回された腸内は切れている。
そこをズンズンと遠慮なしに突かれれば、余計に痛みが走る。
……やはり俺のペニスは一向に反応しない。
俺はそれに安心する。
これで勃起でもしてたら、俺は自分が許せない。
これはレイプなんだ。無理矢理されているんだ。…自分の萎えたペニスを見るとそう実感できる。
「ん…っ、ふ…」
俺の尻を叩きながら遠慮なしに突きまくる男たち。
この男がイけば、また違う男が入ってくる。
終わりが見えない行為に眩暈がする。
床に爪を立てて、歯を食いしばって耐えても痛みは我慢できない。
背を仰け反らせれば、自然に上がる顔。
…………そして、先程の男、…真田と目が合う。
「……ぅ…ぁ…」
…恐い。
本能でそう感じた。
他の男たちと違い、真田は恐い。
俺に一切手を出してこないものの、真田の冷たいながらも何処かギラギラした獣の目に俺は怯えてしまう。
…恐怖で目が逸らせない。
俺が緊張で身を強張らせていると、締め付けが強くなった所為か、俺に入れていた男が奥でイった。
その注ぎ込まれる熱い液体にブルリと震えながら、真田から目を逸らせないでいると、三嶋が驚くことを言い出した。
「おい、お前総長の銜えてやれよ。」
…まるで死刑宣告のようだ。
未だに俺は真田から視線を外せない。
何故か真田も俺から視線を外さない。
「…ゃ、…だ。」
俺の小さく掠れた声が室内に響く。
しかし俺の意見などどうでもいいのか三嶋は、ソファに座っている真田の足の間に俺の身体を持っていかせる。
「お願い、だ、…これだけは嫌だ…っ」
他の男のほうが百万倍マシだ。
何故だか理由ははっきりり分からないが、…真田だけは嫌だ。
本能が逃げろと警報を鳴らしている。
「お前に拒否権はねぇよ。舐めさせてください、の一つくらい言いやがれ。」
三嶋はそう言うと、真田の股間に俺の顔を押しやる。
「……俺は興味ねぇと言っただろうが。」
「真田さん、そう言わずに一度味わってみてくださいよ。こいつ顔と身体は結構いけてますから。」
「……………」
セールスマンのようにしつこい三嶋に真田はそれ以上文句を言うのを止めた。
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