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「…えっと、…お、俺仕事するから…!」
「…あ、あぁ…。」
まるで甘酸っぱい青春のような空気に耐え切れず、俺は話を切り替える。
…いい年してなんでこんな角砂糖のように甘い恋愛してるんだろう。
い、嫌じゃないけれど、こんなことを十代のときにでも経験したことないから、どういう態度を取っていればいいのか分からない。
とりあえず今は仕事に専念しよう。
これ以上赤坂を待たせるわけにもいかないし。
そう思った俺は、隣で俺の髪の毛を撫でてくる赤坂を気にすることを止めて、仕事に励んだのだった。
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「…ちょ、…ん、ちょっと赤坂…っ?」
「何?」
「“何?”じゃないよ。…ど、何処触って…っ?!」
「お前の胸。」
「ン、…ちょ、だ…め、だって…ンぁ…」
仕事に専念しよう、と意気込んでから暫く経つと、何故か俺の頭を撫でていた赤坂が、異様に俺の身体を触ってくるようになった。
…最初は本当に頭を撫でてくるだけだったのに。
頬、
耳、
首、
鎖骨、
…そしてついには胸元にまで赤坂の手が下りてきた。
「駄目、…ひ…ぅ」
「…俺が居るのに、仕事ばっかりしているお前が悪い。」
「だ、だって、…ひぁっ?!や、やめ…ぇ」
「“だって”じゃねぇ。…気持ちいいんだろ?大人しく喘いでいろ。」
「そんな…、…ン、ぁ…ァ」
どうしよう…?
赤坂が言う通り、本当に気持ちが良くて声が抑えられない。
ここは公共の場所だ。しかも俺の職場の職員室。
誰も居ないと言っても、まだ校舎には誰か居るかもしれない。それなのに変な声なんか出せない。
「…あっ、やぁ…ン?!」
「もっと聞かせろ。夕の声聞きたい…。」
下唇を歯で噛んで声を出さないようにしている俺に赤坂は焦れたのか、俺の口の中に二本の指を挿し込んで来た。
おまけに指で捏ねていただけだったというのに、どんどん行為はエスカレートしているようで、赤坂は生温い舌で俺の乳首を舐めてきた。
「も、…本当に、だめ、…らって、ン、ふぁ…ぅ」
「舌足らず、…可愛いな。」
仕方ないだろ…。
赤坂が俺の口の中に指を突っ込んでいるんだから…ッ。
出したくなくても変な声が出てしまうんだよ。
「あ、…ン、ぅ、ひぁあ…ァ」
転がすように舌で舐めて優しく愛撫してくれると思いきや、今度は歯で挟むようにガリっと俺の乳首を噛んでくる。
まるで飴と鞭のような赤坂の攻め方に、我慢出来ずに変な声は漏れてしまう。赤坂の男らしい長い指が口の中に入っているため、口を閉じることが出来ず、涎がダラダラと零れ落ちる。
「ひぅ、ン、く…あァ…ん」
「胸だけでこんなに乱れやがって…」
「ちが、…ン、ひァ…っ」
「“違う”?…チンポ勃たせて喜んでいるくせに、嘘吐くんじゃねぇよ。」
「…え…っ?!」
赤坂の言葉に驚いて、自分の下半身を見てみると、…赤坂の言う通りに俺のペニスはズボンを膨らませて苦しそうに自己主張をしていた。
言われて今気が付いた。
…何でこれだけで勃起してるんだ?
前はこんなんじゃなかったのに。赤坂と付き合うようになってから、年甲斐もなく触られれば簡単に反応するようになってしまった。
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