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そして、何より。
「………」
「…いや、恥ずか、し」
琢磨が最も視線を奪われたのは明美の身体の中央部分。
まだ何もしていないというのに、弱々しくも勃起し掛けている明美のペニス。嫌だ、恥ずかしいなどと羞恥に陥り顔を歪め赤らめているにも関わらず、その部分は至って正直。まだ女性経験のない明美の果実のような桃色をしたペニスからは、ダラダラとみっともなく透明の先走り汁が溢れ出していた。
それには堪らず、琢磨は再び「この淫乱が…」と蔑みの言葉を投げ掛けた後、その緩く勃起している明美のペニスを手の平で包み込んだ。
「ひ、ぃッ」
そしてその刺激に喉を反らして悲鳴の様な声を上げる明美。他人に触られた事が一度もなかった明美は、緩い動きの手淫にも関わらず、頭を振り乱して息を上げ、喘ぎ乱れた。
声を抑えるという余裕すらもなく。
「あッ、や…ひ、ァ!」
その明美の乱れように気を良くする琢磨も、男の物を触っているという嫌悪感すらも湧かないまま、明美の乱れる様を間近で見ていた。
「おい変態。そんなに良いのか?」
「ち、が…っ、ふ、あっ」
「あ?俺の手で善がってるくせに嘘吐くんじゃねぇ」
「ひ、ぃ、ああ、ァッ」
琢磨が手を激しく上下に動かす度に、グチャグチョと粘着質な音が鳴り響く。おそらく琢磨の手の平は明美の先走り汁で汚れているに違いない。
それは明美が感じている証拠。
だがそれを認めるのが恥ずかしくて、明美は否定の意味で頑なに首を横に振り続ける。
そしてそんな反抗的な態度を続ける明美に仕置きとばかりにどんどん手の動きを速める琢磨。皮がずる剥けそうな程に手淫を強め、亀頭部分に爪を立てて引っ掻く。
「あ、あ、ァ、ッ」
自慰では到底感じ得る事が出来ない琢磨の愛撫に明美は目を見開き、口端から飲めなくなった涎を零しながらみっともなく喘ぐ。
「ふあ、ァ、ひ、ぐ」
琢磨の手の動きを止めようとその腕を掴んでみたはいいものの、強い快感に上手く力が入らず、ただ琢磨の逞しい腕にしがみ付く形になってしまい、まるでもっとしてと甘える様な体勢になってしまっていることに明美は気付いていない。
「はっ、物好きめ」
荒い息を吐き、甲高い声で喘ぎながら、自分の胸元にクタリと身体を預けて来た明美の身体を突っ撥ねる事はせずに、琢磨は器用に竿を扱きながらも、薬指と小指を使って睾丸を指で揉み上げてやった。
「ん、ああぁン?!」
そしてその刺激が切っ掛けとなったのか、明美の膨らんだペニスからはビュクビュクッと大量の精液が放たれる。それはベッドシーツに零れることなく、琢磨の大きな手の平に全て受け止められた。
「ふ、…ぁ、あぁ」
胸元に納まったまま、達した余韻にハァハァと息を乱す明美。
そんな明美は涙を流し息を荒げながらも、ずっと甘い思いを抱いていた琢磨の匂いを恋しむように、その匂いを味わいながら吸い込んだ。少し汗の混じったミントの匂い。自分の精液の青臭いにおいが邪魔しているものの、それだけで興奮してしまった明美。
「………」
そしてその明美の思いに気付くことはないまま、琢磨は明美に見せ付けるかのように、手の平の中に放たれた精液をネチャァ…と音を立てながら指で弄んだ。
「…っ、あ」
琢磨のその行動に気が付いた明美は恥ずかしいのか、琢磨の着ているシャツを弱い力で握り締める。
「てめぇの汚い精液で汚れちまったじゃねぇか」
「ご、めん…なさい」
「許して欲しいか?」
「……ん」
琢磨の胸元に納まったまま、明美はコクリと一度だけ頷いた。
「それなら這い蹲って舐めてみせろ」
そんな従順な明美に待ち受けていたのは、何とも鬼畜な仕打ちだった。
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