▼ 6
「おい、…馬鹿…、やめろ!」
柄にもなく焦った。
自分の半勃ちしているチンポが、空の小さい手の平に握られているのだから。友人同士で抜き合いをするというのは何処かで聞いたことがあるものの、空はこんな事をしていいやつじゃない。
純粋無垢である空が俺の手によって汚れちまうなんて駄目だと思いながらも、どうせ汚れるならいっそ俺の手で汚してやろうかという忌まわしい考えが対立する。
「……ん、」
幼い顔付きをしている空の顔が、段々と俺の汚いチンポに近付いてくる。俺は手の平で空の額を押し返した。しかし空は赤く小さい舌を伸ばして、先端部分をチロリと舐めてきたのだ。
「そ、ら」
「…ン、にが…ぃ」
眉間に皺を寄せて渋い顔をしながらも、空は自主的に俺のペニスを舐めてくる。駄目だと分かっているのに、こんなのおかしいと分かっているのに、何故か俺はこれ以上空の額を押し返すことが出来なった。
「…ふ、…っ、ぅ」
空はまるで子猫がミルクを飲むように舌を出して、ペチャペチャと音を立てて舐める。
…空が俺のチンポを舐めている。
赤い舌を出して、俺が強要しているわけでもないというのに。そう考えた瞬間、俺のペニスは空の手の平でグンっと質量を増やした。
「…き、もち…?」
「………っ、」
その事が空にも分かったのか、舌を出しながら上目遣いで聞いてくる空の可愛さに、更に俺のペニスは馬鹿みたいに大きくなった。
本当に俺は馬鹿だ、大馬鹿だ。
何を親友相手に、何を空相手に勃起させてるんだ?
こんなに大きくなった自分のペニスを見るのは初めてかもしれない。初めて自慰したときや、初めて女に突っ込んだときとは比べられねぇくらい興奮している。
「り、く」
「…空、」
ああ、クソ。
苦しい。
苦しいじゃねぇか。
いっそ認めてしまえば楽なのかもしれない。
恋愛感情で空の事が好きなのだと。
何処かで拒絶していた。
空を好きになって気持ち悪がられること。俺の側から空が居なくなること。それが怖くて必死に気付かない振りをしていたが、やはり俺は空の事が好きなのだ。
今回の件で嫌でも気付いてしまった。
俺は親友を恋愛対象として見てしまっている。
空が俺以外の奴と話す所。空が3Pしたいと言い出した時。
あんなにも苛立っていたのは、空の事が好きだったから。
自分だけの物にしたいと束縛していたから。
全て繋がった瞬間だった。
「……はっ、」
そう理解した瞬間、俺のペニスは再び脈を打った。
空はただ先端部分を舐めているだけだというのに、堪らなく気持ち良い。好きな奴とするのは、こんなにも気持ちが良いものだということが分かった。
「や、べ…」
「……ふ…ぁ?」
「出る、…離せ…」
まるで早漏にでもなった気分だ。
早く精を吐き出したくて、俺は再び空の額を押し返した。いくら何でも空の口内や顔に吐き出すわけにはいかない。
「空、…っ」
「…ぅ、ぁ…?!」
しかしそれはほんの一瞬遅かった。空の顔を遠ざけるよりも早く、俺は空の顔に精を放ってしまった。白く柔らかい頬、鼻、ふっくらした桃色の唇、髪にまで掛かった自分の汚い精液で汚れてしまった空の顔を見て、今しがた精を放ったばかりだというのに、俺は空の手の中で再び硬さを取り戻したのだった。
prev /
next