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「っ、ぁ…や、?!」
「こら、口を離すな」
いきなりの事にびっくりして、必死に銜え込んでいた東堂先輩のペニスを口から出す。ジュポ…と音が鳴りとても卑猥だ。東堂先輩には離すなと注意されてしまったけれど俺はその事よりも、先輩がしていることに驚いている。
「そ、そんな所、弄らないでください…っ」
まさかお尻の穴を弄られるとは思っていなかった。
俺はてっきり…ペニスの方を気持ちよくしてくれると思っていたから。
「後々の為に慣らしておく必要があるだろ?」
「……ッ、」
“後々の為”。
先輩の言っている意味が分からないほど俺は子供ではない。男同士のセックスでお尻の穴を使うというのは知っていた。だけどいざ自分がその立場に置かれると、とても怖いものだ。
だって東堂先輩のこんなに大きなペニスが俺の中に入るとは到底思えない。
「で、でも、」
「今の内に拡張していた方が、楽なはずだ」
「か、…拡張…、」
駄目だ。
怖くて、凄く逃げたくなってきた。
「っ、ン…ぁ、ぅ?!」
その逃げ腰の思考が読まれたのかどうなのか分からないが、先輩は再び俺のお尻の穴が見えるように尻タブを横に開き、穴を舐めてきた。
「だ、…だめ…、」
「ももの為だ」
「で、…も…、先輩っ」
「ほら、もも。喋ってねぇで、しゃぶれ。集中しろ」
「……」
「抵抗されればされるほど俺は燃えるぞ」
「……せんぱい、」
「それでも抵抗してくるのなら、フィストファックでも挑戦してみるか?」
「…ひっ、」
口角を上げてニヤリと笑っている東堂先輩を安易に想像出来る。ふぃすとふぁっく?とやらの意味は分からないが、何だか凄く嫌な予感がして、もうこれ以上抵抗出来るわけもなく、大人しく先輩を気持ちよくさせる事に集中した。
「ンっ」
先輩の勃起したペニスを一気に喉奥まで銜え込んだ。
苦しいけれど、俺の稚拙な舌の動きでは先輩を気持ち良くすることは出来ないと思うから、なるべく奥まで銜える。その証拠に、時折苦しくて嗚咽を繰り返してしまうのだが、その度に喉の奥が締まるからか、先輩のペニスが口の中でビクンビクンと脈を打つのだ。
気持ち良くなってくれているのかな?
そうだと、嬉しいな。
「ん、ァ…っ」
「可愛い、もも…」
「…ァ、?!ん、っ、んぁァ」
「俺も頑張らねぇとな」
いやいや、頑張らなくていいですっ。
そう言葉にしたいものの、先輩のペニスが口に入っているため声にはならない。俺が抵抗出来ない事をいいことに、先輩の愛撫は段々とエスカレートしていく。
「ふ、っ、…ン…ッ」
穴の周りの皺の一本一本を解すかのように、尖らせた舌で舐めてきた。くすぐったいような、じれったいような、不思議な感じ。でもやっぱりそれ以上に恥ずかしさが大きい。
「ぁ、…っ、ン」
「もものココ、可愛い」
「ゃ、…っ、ふ」
「名前と一緒で桃色だな」
「……っ、ぅ」
うわああああ!
恥ずかしい恥ずかしい!
そんな事を逐一言わなくていいし、報告しなくていい。きっと俺が恥ずかしがる事を分かって、東堂先輩は言っているんだ。た、性質が悪い。
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