短編集 | ナノ

 8-10





「ひ、ァ?!」

俺の唾液と東堂先輩の先走り汁。それらが混ざり合って、俺の胸元でヌルヌルと東堂先輩のペニスが動き回る。それは何ともいえない感触で、くすぐったくもあり、…でも気持ち良くも感じる。


「ン、せ、…んぱい…っ」


だけど男のくせに胸で感じてるなんて先輩に悟られたくなくて、俺は必死に声を抑える。でも今更そんな事しても無駄かもしれない。
だって東堂先輩には隠せそうにないから。


「ももの乳首、コリコリしてる」

「ゃ…ァっ?!」

「…はっ、…これすげぇ気持ちいい」


東堂先輩は重力でぺったんこになっている俺の胸を鷲掴みにすると、俺の立ち上がっている乳首にペニスを擦り当ててきた。熱くて硬いペニスでグリグリされると、我慢出来ずに声が漏れてしまう。


「ふ、ぁ、…ぅ、ン」


どうしよう、気持ち良い。凄く恥ずかしい。
これなら先程のように自分から積極的にしていた方が良かった。だってこんなの、ずるい。
俺の感じる場所を元から知っていたように、先輩は俺の弱い所を攻めてくるんだ。

ペニスで乳首を擦ってきたり。
乳輪を指先で引っ張ってきたり。
少し乱暴に乳房を揉んできたり。


「ン、ぁあ…ァ」

「…ももの顔エロい」

「東堂、せんぱ…っ」

「気持ち良いか?」


答えるのは恥ずかしいけれど、正直にコクンと頷けば、東堂先輩は嬉しそうに微笑んだ。そして「俺も気持ち良い」と言いながら、更に行為を進める。

胸の谷間は全然といっていいほどない。
だけど先輩は谷間がさもあるかのように、俺の小さい胸を寄せて、腰を動かしてきたのだ。

ヌルヌルと胸で動く先輩のペニス。
唾液と先走り汁が混ざり合う卑猥な水音。
ペチペチと腹部に当たる先輩の睾丸。
そして時々聞こえてくる先輩の低い呻り声。


胸しか触られていないというのに、俺のペニスもパンツの中で大きくなっている。圧迫されて少しきついけれど、その痛さも今では快感だ。



「せ、んぱい…、ン、…せんぱい!」

「もも、」

「…出して、ください…、俺に掛けて…っ」

「……っ、」


顔でも胸でも好きな所に掛けていいと途切れ途切れになりながらも必死に伝えれば、先輩は息を呑んだ後、激しく手と腰を動かしてきた。


「ン、っ!ひ、ァ…ぁ」

「…くっ」


そして先輩の呻り声が聞こえたのと同時に、ビチャと顔や胸元に精液が降り注がれた。我慢してくれていたのか、先輩の射精はとても長くて、口を開けていると口内に入ってきてしまった。
その口に入った少量の精液はゴクリと飲み込む。それはとても苦く濃かった。


「……は…ァ、ふ」


室内が青臭いにおいで包まれる。先輩は息を乱しながら、俺の顔に付着した精液を指で拭った後、その指を俺の口元に近づけてきた。


「ン、ちゅ…ぷ…、は…」


快楽で麻痺をしている俺は嫌だとも思わず、近付いてきた先輩の指を嬉々としてしゃぶる。


「…ン、…にが、い」

「もも、可愛い」


綺麗に舐め取れた俺を褒めるかのように先輩は俺の頭を撫でた後、何故か俺のベルトに手を掛けた。


「…え、…な、何ですか?」

「今度は俺が抜いてやる」

「い、…いいですっ!そんな事、先輩にさせるわけには…っ」

「俺も、ももを気持ち良くさせてあげたいんだ」


先輩の驚きの言動にそこで朦朧としていた意識もはっきりとしてきた。俺は負けずとズボンを抑える。


「…俺、大丈夫ですから。と、トイレで処理してきます…っ」

「馬鹿。…俺が居るだろ?俺にやらせろ」

「……っ?!」


しかし俺の微々たる抵抗なんて先輩には通用せずに、カチャカチャと金属音を立ててベルトを外されてしまった。そしてズボンの前を寛がされる。


「せ、んぱい」

「大丈夫、最後まではしねぇから」


最後って何処までなんですか?!そんな事を今の東堂先輩に聞けるはずもなく、俺は泣きそうになりながら先輩を見続けた。


「…っ、」


俺何されるんだろう…?






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